これまで、数々のスギ、クスノキ、イチョウの巨樹を紹介してきましたが、今回は日本有数のケヤキの巨樹を紹介しよう。
そのケヤキは、山梨県南アルプス市にある「三恵(みつえ)の大ケヤキ」と呼ばれているもので、山梨県下では最大の樹であり、全国のケヤキの中でも、福島県猪苗代町の「天子のケヤキ(15.4m)」に次いで第2位の巨樹である。
中央自動車道双葉JCTより中部横断自動車道へ入り南アルプスICで降り、しばらくの所にある。近くには長遠寺という日蓮宗のお寺もある。何の変哲もない、一般民家裏の広場というより空き地と言ったほうがいい場所に存在していた。一見、大きな2本の幹が左右に分かれているように見えたが、近寄ってみれば、2本の幹の元の部分、主幹がほとんど朽ち果てており、空洞になっているのだ。わずかに外側の樹皮部分が全体を支えているといってもよい。この生命力は、すごいと言わざるを得ない。2本の太い幹から更に其々数本の枝が伸び、葉を繁らせているのだ。 長い年月の間に落雷、火災、台風に遭い主幹部が朽ち果ててしまったというのだ。
しかし、これほどの大樹であるにもかかわらず、傍らに立つ説明板には、この樹の由来、歴史、伝説などの説明が全く無く、「県下屈指の大ケヤキである。樹齢千年を経るというも、推測であるが相当年を経た巨樹である。・・・・・・・・・」とそっけない。でも、この巨樹のある広場の一角に立つ石台の上に小さな石造りの祠が5つ並んでいた。何かいわくありげだが、これにも説明がなかった。おそらく元々は、大ケヤキの根元にあったものに違いない。
「三恵の大ケヤキ」 国指定天然記念物
樹高 25メートル 幹回り 14.35メートル
推定樹齢 1000年以上
所在地 山梨県南アルプス市寺部字今井前
「巨樹探訪」熱中人
6月19日、梅雨の晴れ間を縫って、信州の高原に咲くレンゲツツジの群生地を駆け巡ってきました。
山と渓谷社の「樹木 1」の説明によれば、「レンゲツツジは高原に多い落葉低木で、高さ1?2メートル。花は5?7センチ、大型で色は朱紅色、枝先に2?8個、横向きに咲く。花の色は、黄色や紅の強いものがあり、キレンゲ、コウレンゲと呼ばれ庭木に使われる。群生地では、草原を朱に染めて見事。」とある。
そんな朱色に染まった草原を期待して、白樺湖・車山高原(茅野市)、蓼科牧場(立科町)、湯の丸高原(東御市)と巡りました。白樺湖周辺と蓼科牧場では、花の朱、オレンジと白樺の木の白とのコントラストが美しく目を引いた。車山はまさに草原だが、まだ若干見頃には早かったようで、朱に染まるというところまではいってなかった。
湯の丸高原では、ちょうどこの日「つつじ祭り」が開催中で、大勢の人で賑わっていた。ここは、リフトで登った「ツツジ平」の広大な草原の大群落が見事だという。早速、往復券券800円を払いリフトに乗り終点まで。しかし、ここもまだ見頃には早く、8割方まだ蕾状態であった。でも所々に開花した株が点在していた。しかし、ここは日本一のレンゲツツジの群生地であろう。見渡す限りレンゲツツジの草原だった。満開の状態であったならさぞ圧巻な光景を目の当たりにしていたことだろう。もう一度、満開になった時に訪れたいものだ。
花追い人
第四回八幡文化講座を開催します。金沢のお盆と重なってしまいましたが、ぜひご出席ください。
演題 「アートとケア」
演者 横川善正さん (金沢美術工芸大学教授)
日時 7月16日(土)午後2時から
場所 金沢市花園八幡町ハ100 竹伐翁宅
横川さんは金沢大学大学院文学研究科のご出身で下記のような著書があります。
「ティールームの誕生?美覚のデザイナー」平凡社
「スコットランド?石と水の国」岩波書店
「誰も知らないイタリアの小さなホスピス」岩波書店
「ホスピスが美術館になる日」ミネルヴァ書房
ホスピスという、私たちがいつかはお世話になるかもしれない所で、美術作品が私たちの心にどのように働きかけてくれるのか、大変興味のある話題ではないかと思います。
なお、天井裏の農作業スペース(アマ)を改造して伊東哲の画廊を作りました。油彩17点、水彩30点を展示しています。伊東哲は柳原白蓮をモデルにした作品を描いたためバッシングを受け画壇を離れました。その後台湾にいた八田與一に招かれ、與一の像や工事現場の絵を残しました。八田與一から哲の兄の平盛宛に届いた手紙6通も展示しました。
当日は伊東哲画廊のお披露目も兼ねたいと思います。
竹伐翁
KKRでの 同期会にて 苦しい中から カンパが 5000円集まり 隣のNHKに持って行き 領収書をもらい 保管しています。 金沢にも 安政の大地震があって 今の日本人のユニークさは 風土の豊かさ及び貧しさから 生まれたとかーーー。 金沢人の ユニークさも 同じことーーー。 俺は 半太だ !!!
九州はクスノキの巨樹の宝庫である。しかし、そんな九州の一角でクスノキではない巨樹を見つけた。それが「将軍木」という立派な名前がついたムクノキの1本である。
熊本県菊池市にある菊池神社の桜並木の参道から続く道路脇、県立菊池高校正門左横にその巨樹はあった。見るからに古木であると分かる程一見痛々しい姿でもあった。北側の幹が腐朽して大きな空洞になっている。主幹部分には裂けるのを防ぐため2個の鉄環を巻き、南方へ繁る枝は鉄の支柱で補強されている。
南朝時代、征西将軍 懐良(かねなが)親王が、当時勢力のあった菊池氏を頼り、この地に征西府を置かれたとき、親王の杖から芽をふいたとも、御手植えの木とも伝えられている。「将軍木」の名はこの懐良親王にちなんで付けられている。今は、明治になって建てられた、菊池氏を祀った菊池神社の御神木として、地元の人々に親しまれている。10月13日の秋祭りには、この樹を将軍 懐良親王の象徴に見立てて「松囃子能」(国重要無形民俗文化財)が奉納されているという。
将軍木<ムクノキ>・・・・・県指定天然記念物
樹高 16メートル 幹回り 8メートル
推定樹齢 600年以上
所在地 熊本県菊池市高野瀬
「巨樹探訪」熱中人
「湯蓋の森」の反対側、拝殿左奥に鎮座しているのが「衣掛(きぬかけ)の森」と呼ばれているクスの巨木である。神功皇后が出産の際、この樹に産着を掛けたと伝えられている。主幹は折れ朽ちているが、若い枝が主幹を守るかのように伸びている。「湯蓋の森」のように整った姿ではないが、その異様な姿が帰って迫力を感じる。
福岡県下では第2位、全国では第6位の巨樹である。
この樹のすぐ傍らに、応神天皇の産湯に使ったと伝えられている湧水「「産湯水(うぶゆのみず)」がある。説明板には、「応神天皇御降誕の際用い給いし産湯水にて妊婦此の水を頂戴せば安産するとの伝えに拠り、汲み取って持ち帰る人多し」とあった。
安産に関する信仰は今でも盛んだと見え、3?4組の若いカップルが参拝に来ていた。応神天皇が産まれたとされる1月5日には毎年例祭が開かれている。
宇美八幡宮のクス 「衣掛の森」・・・・・国指定天然記念物
樹高 20メートル 幹回り 20メートル
推定樹齢 2000?3000年
「巨樹探訪」熱中人
巨樹探訪も今回は九州福岡へ足を伸ばしました。博多駅前からバスで約40分、宇美町「宇美八幡宮前」で下車。目の前に宇美八幡宮のクスノキの森が広がっていました。
宇美八幡宮は、神功皇后が三韓征伐の帰途に応神天皇を産んだ地に、敏達天皇3年に応神天皇を祀ったのに始まる。「宇美」の地名も「産み」に由来するという。鎌倉時代初期から安産の神として広く人々に信仰されてきたという。別当寺も宇美山誕生寺と称していたという。
約4000平方メートルの広い境内に30本以上のクスノキの大木がうっそうと繁っている。この中に特別大きなものが、「衣掛の森」「「湯蓋の森」「蚊田の森」と呼ばれているものだ。特に、「衣掛の森」「湯蓋の森」の2本は宇美八幡宮のシンボル的な存在で、特に大切にされている。これらは、森と呼ばれているが、木のスケールが大きく、1本の木でありながら、まるで森のように思われるところからだという。
拝殿右側にどっしりと構えているのが「湯蓋の森」だ。幹回り、樹齢とも「衣掛の森」には及ばないが、姿、形が美しく樹勢も盛んで、大きく広げた枝はまさに森の如くだ。応神天皇誕生の時、この木の下で産湯を使ったとき、枝葉が茂って湯船の上に蓋のように覆いかぶさったので「湯蓋の森」と呼ばれるようになったと伝えられる。
福岡県下では第4位の巨木である。
宇美八幡宮の「湯蓋の森」・・・・・国指定天然記念物
樹高 20メートル 幹回り 15.7メートル
推定樹齢 1000?1500年
所在地 福岡県宇美町宇美 1?1?1
「巨樹探訪」熱中人
阿蘇・仙酔峡は阿蘇中岳と高岳の北麓(標高約900m)に位置し、阿蘇さんが爆発した時の溶岩が造り出した峡谷である。ミヤマキリシマ(深山霧島)は高山の地形に這うように群生している。例年(5月半ば頃)ならば約10ヘクタールの斜面を、約5万本のミヤマキリシマが一斉に咲き誇り、ピンク色に埋め尽くすという。仙酔峡の地名由来も、この花の美しさに仙人すら酔ってしまったという伝説にちなんでいるとか。しかし、今年は春先の天候不順で開花が遅く、しかも花付きも悪いという。更に、先日来中岳の火山活動に伴い入山禁止になっているという。
6月1日、阿蘇神社前の蕎麦屋のおばさんから「今が見頃ですよ」と言われ、火山活動を始めた中岳の噴火を気にかけながら仙酔峡へ車を走らせました。しかし、期待していた一面のピンク色の斜面ではなく、斑模様にピンク色が点在していた。ロープウエイは運転休止しており、あたり一面硫黄の匂いが充満していた。また中岳からの白い噴煙も見えた。しかし、幸いにもその日は有毒ガスは流れておらず、立ち入ることはできた。
期待していたミヤマキリシマは最高の状態ではなく、ちょっと残念でしたが、その日泊まった垂玉温泉(たるたま温泉)の「山口旅館」は最高でした。阿蘇・鳥帽子岳中腹にある一軒宿で、古い歴史をもった宿、「日本秘湯を守る会」の会員宿でした。明治40年阿蘇を訪ねた北原白秋、吉井 勇、与謝野鉄幹らも宿泊している。(1泊2食 13000円)
花追い人
この夏は暑さが厳しいという予報に、電力不足のなか、暑さをどう乗り切るか、いろいろな試みが始まっています。5月27日に梅雨入りした関東は、4月中旬並みの肌寒い日が続いているものの、既に、半袖ポロシャツ着用での勤務という事務所もあるようです。日本の夏を、背広にネクタイのスタイルで過ごすのは、もともと無理があったのですから、2011年以後、本格クールビズが定着ということになるかもしれません。
さて、雨の王子での5月28日の第72回句会は、出席者8名、半年ぶりに皆で顔を合わせての言いたい放題の句会は、お腹の皮がよじれそうになるほど賑やかで愉快な3時間でした。
投句者15名、投句総数60句、選句者20名、選句結果は最高得点が11点で、5点以上は下記の11句となりました。
11点句 草笛の届かぬ沖でありにけり 麦 人
8点句 咲き切りて芯はうすべに白牡丹 子 燕
7点句 はらからは四男一女粽食ふ 英 明
6点句 巨樹を据ゑ五山ことごと夏に入る 卓 馬
6点句 ここからは蓮如の里ぞ風薫る 桜 子
5点句 豆の飯こぼしつ天下国家論 麦 人
5点句 凡凡の日々有り難し夏暖簾 さぶ路
5点句 本丸は礎石ばかりや余花の雨 英 明
5点句 影ひとつ無き村花の散るばかり さぶ路
5点句 蜥蜴出づ余震の数の多きこと 子 燕
5点句 かはうその話聴きゐる子供の日 卓 馬
なお、合同句集世話人の英明さんから、投稿の集まり具合などの経過報告がありました。締め切りは5月末でしたが、まだ間に合うそうですので、うっかりなさっていらした方は、どうぞお急ぎください。せっかくの機会ですので、お一人でも多くのご参加をお待ちいたします。
次回第73回は7月16日です。たくさんの投句お待ちいたします。
★第73回さぶろく句会★
日 時 : 平成23年7月16日(土)午後1時
会 場 : 王子『北とぴあ』8階 805B 会議室
兼 題 : 雲の峰 心太(ところてん)ハンカチーフ 青蔦
兼題、自由題(当期の季語)合わせて一人4句
締 切 : 7月2日(土)午後10時までに世話人まで
第72回さぶろく句会世話人