


ここ最近4年程紅葉を見に行っていない。今年も天候不順、せっかく晴れてもこちらの都合が悪く、ちょっとイライラしている今日この頃でした。ようやく晴れた先日、白山市内にある樹木公園の紅葉を見てきました。
樹木公園とは正式には、石川県農林総合研究センター林業試験場樹木公園。芝生広場を中心に花木園、針葉樹林、郷土の森、落葉広葉樹林、常緑広葉樹林、桜椿園などが配置されており、800種、15000本余の樹木が植栽されている。桜は約130品種、約900本、椿は約40品種、850本とおおく、全国的に
も有数の規模だそうだ。
これまで、桜の時期に行っているが、紅葉は今回初めてである。芝生広場と郷土の森の間の小川の両岸に楓とイチョウの紅葉、黄葉が素晴らしい。地面を覆っている落葉、まだ枝に残っている紅・黄葉、そして今盛んに降り続く散紅葉。本当に絵になる風景である。
石川県農林総合研究センター林業試験場樹木公園
石川県白山市三宮町ホ1
( 撮影日 H28.11.21 )
紅葉狩人
岐阜県美濃加茂市の山間にある正眼寺(しょうげんじ)という禅宗のお寺をご存じでしょうか?
山号を妙法山といい、臨済宗妙心寺派の雲水(禅僧)の修行場となっており、別名京都・妙心寺の奥の院ともいわれている、1658年創建の古刹です。また、この寺で昔、巨人の川上哲治監督、中日の星野仙一監督が座禅修行したことでも知られています。その時初めて、美濃の正眼寺という名前が世間に知られたと記憶しています。
この正眼寺、実は隠れた紅葉の名所なのです。また、花の寺でもあるのです。
11月27日、白山市からの帰途、この寺に立ち寄り見事に紅葉した境内を散策して、思う存分紅葉を楽しんできました。これだけの素晴らしい紅葉を、まったく一人占めの状態で見られるなんて信じられないくらいでした。
紅葉狩人
兼六園の次に、加賀市山中温泉の鶴仙渓という紅葉の名所に足を延ばしました。黒谷橋からこおろぎ橋の間には、渓谷に沿って1.3kmの遊歩道があり、そぞろ歩いて紅葉が楽しめます。殊に、黒谷橋付近、こおろぎ橋付近の紅葉は見事だった。
しかし、この山中温泉もご多聞にもれず、最盛期に比べずいぶん客足が遠のき、渓谷沿いに建つ幾つかのホテルが廃業に追い込まれ、荒れ果てたままになっているのが目立ち、一抹のさびししさを感じました。
紅葉狩人
那谷寺の紅葉が見頃という新聞記事を見て、快晴の11月19日、小松市那谷町にある自生山那谷寺へ行ってきました。
那谷寺を訪れるのは久しぶりでしたが、山内は紅葉目当ての観光客であふれかえっていました。しかし、残念ながら肝心の紅葉は、既に落葉が目立ち、残っている葉もちじれ気味の状態で、良くはなかったが、それでも幾らかは見られた。
那谷寺は、白山信仰の寺として知られ、また、その名の由来は、西国33番札所を開かれた花山法皇が、洞窟内の観音像を拝せられ、「朕が求む33か所は、すべてこの山にあり」と申され、第1番紀伊の那智山と第33番美濃の谷汲山の各1字をとって那谷寺と名付け、七堂伽藍をご造営なされたという。
また、奇岩遊仙境の眺めは素晴らしく、俳聖 松尾芭蕉が当寺をおとずれ参拝された時、「石山の 石より白し 秋の風 」の名句を残している。
紅葉狩人
国道158号線は、私が郷里白山市へ帰る時通るルートの1つである。その大部分は九頭竜湖、九頭竜渓谷に沿って走っている。
今年は、タイミングよく紅葉のピーク時に遭遇した(11月16日)。九頭竜湖オートキャンプ場のメタセコイアの紅葉、ダム湖に映る周囲の山々の錦織なす紅葉の景色は素晴らしかった。そんな光景を、所々で車を止めてカメラに収めてきた。ただ惜しむらくは、山のモミジには鮮やかな赤、朱色がないことだ。
紅葉狩人
14日(日)、12時からの「さぶろく会・東京例会)」に今少し時間があったので、久しぶりに都会のオアシス的存在の新宿御苑を散策し、木々の黄葉を楽しみ秋を感じてきました。
まだ11時前でしたが、かなりの人がもう既に来ていました。楓の黄葉はまだ見られませんでしたが、桜、イチョウ、ユリノキなどの紅、黄葉が見られました。なかでも、イチョウとユリノキは他の樹を圧倒していました。また、広い芝生の中の菊花壇と木々の向こうにそびえる、ニューヨークのエンパイアステートビルの様なビルの姿が印象的でした。
** ユリノキ・・・・・モクレン科ユリノキ属 北アメリカ原産 初夏にチューリップによく似た花が咲く。この木は、明治9年ごろに日本で初めて植えられたもの。苑内では最も高い木。明治40年には、採種された種子から街路樹用苗木が大量に作られ全国に広がった。
紅葉狩人

百済寺へ向かう山道の入口中に近い左側に、来迎山 引接寺(いんじょうじ)という天台宗の小寺があるのをご存知だろうか?百済寺へ向かうときには全く気がつかなかったのだが、帰り道、ふと右側に目を向けたら、その瀟洒な佇まいに引き付けられ、つい車を止めてしまった。
小さな山門を潜ると、これも遠慮しがちな風情でカエデの紅葉が境内を彩っていた。本堂の前の庭もすっきりと手入れされ、清々しい趣きある佇まいであった。その本堂の右脇を抜け奥にある「来迎浄土」を見てあっと眼を見張った。なんと、手前に大きな石塔が一つ、その向こうに無数の、いや数千、数万の小さな石塔がびっしりと立ち並んでいたのだ。とにかくその石塔群の光景の壮観さに圧倒された。そして、その中心部に近い所に2本の紅葉したカエデの木が立っているのが印象的だった。。
雨に濡れ、しっとりとした石が美しかった。石は濡れた時が美しい。これと同じような光景、何処かで見たことがあるぞ!!そうだ!今年6月に訪れた、やはりこの近くの蒲生町にある「阿育山(あしょかおうざん)石塔寺」の広場の光景と全く同じではないか。門前から直線に伸びる、かなり長い石段を登りきった広場に、巨大な三重石塔(国重文)を中心に、その周囲びっしりと何万という5輪塔や石仏が広場を埋め尽くしていた。とにかく、しばらくはその場に立ち竦んで石塔・石仏群をじっと眺めていた。
*「来迎山 引接寺」は、天台宗の寺院で百済寺の末寺である。当時の資料が、信長の焼き討ちに遭い焼失してしまったため、いつ建立されたかは不詳。百済寺を再興した亮算の弟子、亮誉が開山し、現在の地に建立したといわれる。「来迎浄土」は、戦国時代、信長の兵火により破壊され、400年以上も付近の山野に放置されたまま散在していた石仏・石塔を集め、昭和61年(1986)に造られたもので、3層になっている。大石塔を中心に2千体の石仏と3千基の五輪塔を安置し、毎年8月22日に「万灯供養」が行われているという。その様子は、とても幻想的で東近江市の夏の風物詩として有名だそうだ。
紅葉狩人

紅葉めぐりといえば、やはり湖東三山へ行かねばならないだろう。今回は、三山の内 東近江市の百済寺、甲良町の西明寺を廻ってきた。しかし、残念ながら11月17・18日は両寺とも紅葉のピークには、まだちょっと早かった。
百済寺のダラダラ続く「石垣参道」が鮮やかな紅葉のトンネルになっているのを期待していたが、まだ半分は緑色だった。だが、本坊裏に広がっている庭園、別称「天下遠望の名園」は真っ赤に色ずいた紅葉に彩られ見事な眺めであった。
西明寺の紅葉は、山門・本堂・三重塔周辺はまずまずの彩りであった。しかし、いずれの寺も雨中にも拘らず、人、人、人の波で混雑していた。本来、寺というものは修行・学問の場で、俗界を離れて静かな山中に建立したのだろうが、今や観光のメッカとなっている感だ。先に紹介した東光寺とは大きな違いだ。
*釈迦山 百済寺(国史跡)は、今から1400年前の推古14年(606)に渡来人のために、聖徳太子が創建した近江の最古刹。鎌倉時代には「天台別院」と称され、1300人が居住する巨大寺院となったが、天正元年(1573)4月11日に信長の焼き討ちに遭う。往時の姿は「石垣参道」、棚田のような「坊跡遺構」や、「千年菩提樹」をはじめ樹齢数百年の巨杉、山桜、椿群から偲ぶことが出来る。
*龍應山 西明寺は、平安時代初期の承和元年(834)三州上人が仁明天皇の勅願により開創された天台の古刹。本堂は鎌倉時代の代表的な建造物で国宝第1号。本尊薬師如来(重文)は秘仏。三重塔は総檜造りの優美な塔として国宝に指定されている。その初層内部に極彩色で画かれた法華経の極楽世界の壁画は圧巻。(塔のみの拝観料 1000円)
紅葉狩人
永源寺から山麓を通る県道を百済寺に向かって走ると、途中東近江市平尾の集落がある。集落の中、車1台がやっと通れる細い道を抜け、山の中への坂道を約1kmばかり上り詰めると、白鹿背山東光寺(浄土宗)がある。百済寺と同様、聖徳太子の創建の伝を持つという。天台宗を経て慶長年間(1596?1615)に浄土宗に改宗中興した寺である。広い境内には、多くの建物が点在する堂々とした寺院で、現在智恩院門下の中本山寺院である。
山門前から既に素晴らしい紅葉の光景が広がり、落ち葉で敷き詰められた石段を登り山門を潜ると、これまたあっと目を見張るような真っ赤な紅葉が目に飛び込んできた。濃淡のあるいろいろな橙と赤が折り重なるようになった紅葉の光景は、これぞ極楽浄土かと思わんばかりであった。本堂前左側には、1本のイチョウの木が真っ黄に色ずいており、赤色に染まる境内に一つのアクセントとなっていた。
人影一つない境内は静まり返っており、独り充分に紅葉を堪能できた。でも、こんな素晴らしい紅葉を独りで見ているのは少しもったいないような気がしないでもなかった。秋の紅葉は、やはりこのような静寂の中で観賞するのが良い。ここは、観光バスが入ってこれないような細い路だから、これからもこの静けさは続くだろう。また、いつまでも そうあってほしいと思った。
紅葉狩人