わが三国志 景星輝かず
三国時代は孔明の死で終わったわけではない
幼い頃から私は中国の物語りに魅せられ、とりわけ三国志演義は水滸伝、西遊記と共にくり返し読みふけりましたが、そのうちに演義の内容にどうも納得がいかなくなりました。余りにも蜀の人物を持ち上げ、魏、呉の人物をおとしめていますし、かなり荒唐無稽な話も目に付きます。やがて陳寿の正史を読むに及んで人物像にかなりの隔たりがあり、三国時代は孔明の死で終わったわけではない事も知りました。
そこで自分なりの解釈を試み、実像に迫りたいと思い立ち、いくつかの作品を同人誌「浮標」に載せ、かなりの量になった所で改めて手を加え、一冊にまとめたものが本書であります。
(あとがき から)
著者紹介
市野倉 三郎(いちのくら さぶろう)
本名 礒部 徹三(いそべ てつぞう)
1932年 東京生まれ
「浮標の会」同人
著書 「方円」(近代文芸社)
「ナンナルの竪琴」(トレビ文庫)
「味噌っかす」(オブアワーズ)
その他