第16回 エコロジー

  解答・解説

私たちの豊かな食生活を見直してみよう。

  • 日本の食料自給率を調べてみよう。



    日本は食糧をどこまで海外に依存していいの?

       熱量供給量から見た日本の食糧自給率は42%(1995年)で、国連の統計によると世界164か国中、日本は145番目である。自給できない分は輸入に頼っている。
       米のようにほぼ自給でまかなっている食品もあるが、小麦や大豆など日本の食生活に欠かせない食品の原料もほとんど輸入に頼っている。日本の食糧の自給率は、1960年代の高度経済成長以降、減少してきており、熱量供給量自給率を高めている国々とは対照的 である。さらに、生鮮食品である野菜や果物の輸入も急速に増加し、その種類も多くなっている。

  • エビやバナナはどこで生産され、それを生産している人々の生活にどのような影響を与えているか調べてみよう。
    1. エビのむこうに見えるもの
      通商白書(1999年)
      各国からのエビの輸入量
      輸 入 国 名 数量(万トン)
       インドネシア
       インド
       ベトナム
       タイ
       オーストラリア
       その他
      54,247
      51,128
      26,711
      17,783
       8,990
      92,536
      合    計 251,395

       日本は世界一のエビ消費国である。その消費量の87%を輸入に頼っている。インドネシアやタイでは養殖エビが30万トン生産されているが、そのほとんどを日本が輸入している。天然の水産資源の拠点であるマングローブの林では多くの魚が産卵し、稚魚が育つ。
       しかし、漁獲量確保のため、養殖が盛んになり、マングローブの林を開いて造成される。また、経営効率を高めるため、飼料の与えすぎ、池の消毒省略、水底にはヘドロが蓄積される。日本の取引業者は次々と契約相手を変え、新しい養殖場へ移る。

      現地の人々にとって
         マングローブの林は自然の防潮林、住宅資材や燃料、豊かな漁場、そこで育つ稚魚は重要なたんぱく質源である。しかし、それらを奪われた零細な漁民たちは、生活環境が悪化してもこの地を離れることもできない。
         また、生産されたエビは、現地の冷凍工場で日本向けにサイズ別、ギョウザ方式に並べて冷凍される。低い賃金で作業に携わるのは、現地の若い女性で、室温の低い工場内での作業は、熱帯地方で育った身体に悪い影響を与えるのではないかと懸念されている。

      しかし、安全性、生産地との関係を大切にした「エコシュリンプ」も生産!・・・
         こうした大量生産をめざした「集約型」の池は土地を使い捨てにして環境破壊を起こしてきた。そこで、インドネシアでは、餌や薬を使わず自然まかせの「伝統型」の池でエコシュリンプとよばれるエビがつくられている。輸入量は、エビ全体の0.1%強にすぎないが、安全性、生産地との関係を重視する消費者に支えられ、国際的な産地直送品にまで育ってきている。

    2. バナナの向こうに見えるもの

      80%がフィリピン産
         アメリカや日本の多国籍企業が生産、輸入している。
        トウモロコシ畑や水田をつぶしてバナナ・プランテーションが作られた。農民は、いやおうなく安い賃金で、そこで働かざるをえなかった。

      現地の人々にとって
      健康と環境が心配
         収穫量と生産性を上げるため、様々な種類の農薬が使われ、労働者自身の健康が心配されている。
        バナナを傷から守る袋が使用後、河川を汚し環境問題ともなっている。私たちの口に入るバナナは現地の人々の口には入らない。バナナが労働者から消費者の手に渡る間の様々な不公正な関係が問題となっていると言われている。

      しかし、無農薬バナナの取り組みも・・・
         かつて「飢餓の島」と呼ばれたフィリピン・ネグロス島の貧しい農民たちが、日本のNGO(非政府組織)の支援で自分たちも食べている無農薬バナナを日本へ産地直送し、自立に成功しようとしている。フェアトレード(公正貿易)である。

        フェアトレードとは・・・
         通常の貿易では立場が弱い生産者に正当な利益と環境保護を約束し、できるだけ公正な対価を支払い長期的な協力関係を築いて、生産者の自立支援を目指すものである。

食べ残しがこんなに増えている!

 日本の食糧自給率は年々減少しているが、供給熱量(皿に盛られた量)と摂取熱量(実際に食べた量)の差(食べ残しや売り切れ食品)も年々多くなっている。供給熱量を減らした場合、食糧自給率は最大で約3割程度上昇する試算もある。「食べ残し=ゴミ」であることを再確認し、毎日の食生活を見直してみよう。

食品をおいしく、無駄なく使うくふうをしよう!

  • 大根をまるごと、おいしく、使い分けてみよう。

    エコクッキングの第一歩は
      素材を知ること!
     自然の恵みをおいしくいただきながら
     身近な環境に親しもう。

     ・野菜の捨てている部分でもう一品工夫
     ・昨日の残ったおかずをリフォーム
     ・残った材料で作る一掃メニュー
     ・材料をまるごと使い切る工夫、使い切れず捨ててしまうなら、割高と思っても半分や1/4個を購入した方が経済的なこともある。

    調理例  大根菜飯( だいこんなめし)
      大根の葉の栄養価
      カロチン、ビタミンB ・ C、鉄、カルシュウムが豊富で栄養価が高い。
      食物繊維も多い。

         材 料 1人分
         作 り 方
       米  80g(1/2カップ)
       水  115ml
       酒  5ml
       大根の葉 1/2本分
       塩  1g
       白ゴマ 1g
      1. 米は、酒を加えた水に浸漬させてから炊く。
      2. たっぷりの熱湯の中に塩を入れ、大根の葉を入れて茹でる。
      3. 2. を細かく切り、塩をふっておく。
      4. 食べる直前に、大根の葉をもう一度しぼり、温かいご飯に加えて、さっくりまぜ、煎った白ゴマを加える。
参考文献

    「家庭科資料集」
      開隆堂
    「家庭一般 明日の生活を築く」教科書
      開隆堂
    「豊かさの裏側」私たちの暮らしとアジアの環境
      学陽書房
    「地球環境にやさしくなれる本」
      PHP研究所
    「エコクッキング」台所から地球環境を考える料理本
      橋本確文堂企画出版室
    「エコ・クッキング」
      東京ガス株式会社環境部
    「いのちとくらしを守る生活環境」
      富山県教育委員会産業教育の企画推進に関する各種研究委員会家庭部会編集
アクセスしよう