今回は、6月15日の参議院本会議で、与野党賛成多数により可決・成立し、平成24年4月1日付で施行される「介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律」について概要をお知らせします。くただし、下記1-?(介護療養病床の廃止期限の延長)及び2-?(介護福祉士の資格の取得方法の見直しの延長)については、平成23年6月22日付で公布・施行されます。>
<趣旨>高齢者が地域で自立した生活を営るよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスが切れ目なく提供される「地域包括ケシステム」の実現に向けた取組を進める。
1 医療と介護の連携の強化等
- 医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスが連携した要介護者等への包括的な支援(地域包括ケア)を推進。
- 日常生活圏域ごとに地域ニーズや課題の把握を踏まえた介護保険事業計画を策定。
- 単身・重度の要介護者等に対応できるよう、24時間対応の定期巡回・随時対応型サービスや複合型サービスを創設。
- 保険者の判断による予防給付と生活支援サービスの総合的な実施を可能とする。
- 介護療養病床の廃止期限(平成24年3月末)を猶予。(新たな指定は行わない)
2 介護人材の確保とサービスの質の向上
- 介護福祉士や一定の教育を受けた介護職員等によるたんの吸引等の実施を可能とする。
- 介護福祉士の資格取得方法の見直し(平成24年4月実施予定)を延期。
- 介護事業所における労働法規の遵守を徹底、事業所指定の欠格要件及び取消要件に労働基準法等違反者を追加。
- 公表前の調査実施の義務付け廃止など介護サービス情報公表制度の見直しを実施。
3 高齢者の住まいの整備等
有料老人ホーム等における前払金の返還に関する利用者保護規定を追加。
※厚生労働省と国土交通省の連携によるサービス付き高齢者向け住宅の供給を促進
(4月27日に「高齢者住まい法」の改正案が参議院で可決、翌28日公布、6カ月以内に施行)
4 認知症対策の推進
- 市民後見人の育成及び活用など、市町村における高齢社会の権利擁護を推進。
- 市町村の介護保険事業計画において地域実情に応じた認知症支援策を盛り込む。
5 保険者による主体時な取組の推進
- 介護保険事業計画と医療サービス、住まいに関する計画の調和を確保。
- 地域密着型サービスについて、公募・選考による指定を可能とする。
6 保険料の上昇の緩和
各都道府県の財政安定化基金を取り崩し、介護保険料の軽減等に活用。
今回は、今国会に提出されている「介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案」に関し、5/11に衆議院「厚生労働委員会」で趣旨説明が行われ、衆議院を通過し現在参議院で審議きれている、改正の柱とも言える
「24時間対応の定期巡回・随時対応型サービス」についてお知らせいたします。
<「24時間対応の定期巡回・随時対応型サービス」について>
- 24時間対応の定期巡回・随時対応型サービスの実施に向け、地域密着型の2つのサービス(下表1)が新設されます。
- 定期巡回・随時対応型サービスの実施エリアは、概ね30分で移動できる範囲(日常生活圏域)とし、1日複数回の定期巡回型訪問介護看護サービス(下表2)を行います。
- 介護と看護の連携による随時対応を行うことから、ケアマネジャーは、サービス提供事業者との緊密な連携による「共同ケアマネジメント」の推進が必要となります。
- 高齢者の生活においては、心身の状況が日々変化し、それにともない必要なサービスの量やタイミングが変化するので、介護報酬は施設と同様、包括定額払い方式を基本とする方向で
検討しています。
- 事業所の指定については、市町村長の判断により、公募(下表3)を通じた選考方法が取り入れられることになりました。
- 市町村長は、当該地域のサービス量が計画値に達している場合、新たな指定制限等(下表4)について都道府県知事と協議し、将来的に進出事業者の事業継続が可能になるよう総量規制を行うことができるようになります。
| (1) |
?「定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスの新設 |
居宅要介護者に定期的な巡回により、又は随時通報を受け、居宅において介護・看護を行うサービス。単独型又は同一法人の複数事業所型の2種類のタイブがあります。 |
| ?「複合型サービス」の新設 |
訪問看護及び小規模多機能型居宅介護の組み合わせ等により、1事業所で複数サービスの提供が可能となります。 |
| (2) |
定期巡回訪問サービスの内容 |
朝・昼・夕刻・夜間に配下膳・排泄等のケアを定期巡回訪問の中で1日数回提供します。サービス提供時間は、概ね15分程度を想定しています。 |
| (3) |
公募による事業所指定 |
公募による指定の有効期間は、6年を超えない範囲となっています。 |
| (4) |
地域の指定制限 |
進出した事業所の経営を一定程度安定させるため、当該地域におけるサービス量の実態に応じて、都道府県知事と市町村長が協議のうえ、新たな指定に一定の制限をかけることができる仕組みが取り入れなれました。 |
今回は、4月27日に行われました社会保障審議会介護給付費分科会において審議された事項のうち、「介護報酬の地域区分の見直し」に関する厚生労働省案および各委員からの意見等について要約してお知らせいたします。また、改正高齢者居住安定確保法(高齢者すまい法)が、4月27日の参議院本会議で可決しましたので併せてお知らせいたします。
■ 介護報酬の地域区分の見直しについて
介護報酬の地域区分については、介護職員の人件費などの地域差を反映させる仕組みとして介護保険制度における報酬規程に位置づけられています。具体的には、介護保険制度創設当時の国家公務員の「調整手当」を支給する地域区分(特別区、特甲地、甲地、乙地等の5段階)をべースにしています。しかし、当該調整手当は、2010年4月に廃止され、新たに7区分の地域手当として改正されています。そこで今回、介護報酬の地域区分について、国家公務員の地域手当に合わせた7区分への見直し案が提出されました。なお、各委員からは、国家公務員の7区分の地域手当のほうがより地域の人件費割合が反映できる、利用者負担に跳ね返らないようにすべき、地域別の賃金をまとめた「賃金構造基本統計調査のデータを参考として示すべき、人件費だけでなく物件費についても議論すべき、などの推進論、慎重論が出ています。
■ 改正高齢者居住安定確保法(高齢者すまい法)が成立
4月27日の参議院本会議で改正高齢者居住安定確保法(高齢者すまい法)が全会一致で可決し、成立しました。改正のポイントは次のとおりです。床面積が原則として25平方メートル以上、トイレ・洗面設備などの設置、バリアフリー構造、都道府県への登録制、安否確認や生活相談などの高齢者支援サービスの提供、登録事項の情報開示、前払い家賃に関する返還ルール・保全措置などについて定められています。