吸収一罪(大は小を兼ねる)

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  1. 人をナイフでぶすりと刺し殺す。
  2. 人を殺す=殺人罪、着衣にナイフで穴を開け、血で染め、使用不能にする=器物損壊罪
  3. 刑法の構成要件(犯罪の類型)からすれば、上記のようにふたつの犯罪類型に該当し、ふたつの犯罪が成立
  4. しかし、通常、殺人の場合(方法はいろいろあるけれど)、被害者の着衣を損傷するということは予想されることだから、着衣損壊=器物損壊の点を考慮して、殺人の法定刑は定められていると考えてもおかしくない。
  5. 器物損壊罪は、殺人罪に吸収されて、独立して成立はしないと考えよう。
  6. ポイント
    1. 保護法益(法律が守ろうとする利益)の主体の同一性の有無
    2. 保護法益の内容
    3. 通常、想定される範囲内のものかなど

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このページは、弁天小僧が2004年11月11日 08:18に書いたブログ記事です。

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