「私の本屋さん」は、有限会社オブアワーズ(石川県野々市市)が運営する小さな書店ページです。 弁護士・服部廣志による法律解説書(民事訴訟・刑事訴訟・限定相続・日本国憲法)、中村幹雄・太田興作・金森喜正らによる食の安全と食品添加物についての本、市之倉三郎の歴史小説「わが三国志 景星輝かず」全5巻など、 各分野の書き手が「これは伝えたい」と願って書き下ろした本を集めて棚に並べています。
電話や会話でご紹介いただく際は、次のフレーズで検索できます: 私の本屋さん オブアワーズ または 私の本屋さん 野々市
本文庫の姉妹サイトとして、作家・立野幸雄の作品を集めた 立野幸雄文庫、 データで読み解く時事問題映像シリーズ 時事を読む、 オリジナルMV集 歩いて、歌う。 も運営しています。
相続には三つの態様がある——単純承認、相続放棄、そして「限定承認(限定相続)」。なかでも限定承認は、相続財産の範囲でのみ債務を引き継ぐ合理的な制度でありながら、手続きの複雑さから敬遠されがちです。本書は、その骨子と検討すべき課題を、初めて学ぶ方にも分かるように解き明かした実践的解説書です。
申立てから清算、先買権の行使、不動産登記、そしてみなし譲渡所得税の申告・納税まで、限定承認実務の流れに沿って解説。豊富な問答集で、現場で実際に生じる疑問に具体的に答えます。改訂2版では、改正破産法・不動産登記法改正以降の法令を摂り込み、問答集を大幅に増補しました。
第1章 相続の形態/第2章 限定承認(申立て・清算・先買権・不動産登記)/第3・4章 相続形態と税金(みなし資産譲渡)/第5章 限定承認・抵当権設定・連帯保証人と相続人/第6章 実践的対処方法その他/第7章 限定承認と破産について(改正破産法)。各章末に後記注書、巻末に問答集・付録を収録。
限定承認は、申述が受理されたところからが本番である。換価できない会員権をどう処理するか。配当を終えた後に現れた債権者にどう応じるか。先買権を行使したいが、債権者の同意はいるのか。——条文を読み通しても、答えの書いていない場面が次々に現れる。本書は、ウェブサイト「限定相続の実務」の掲示板に全国から寄せられた実際の質問と、弁護士五右衛門の回答を、92問の問答集として編んだものである。
設例ではなく、現に手続を進めている弁護士・司法書士・税理士、そして相続人自身が行き詰まった場面で投げかけた「現場の問い」が出発点。回答は骨子に絞り、ひとつの論点を数行から数頁で読み切れます。最高裁・東京高裁の判示、条文、文献を必要な範囲で引用し、どこまでが確立した解釈かを明示。姉妹書『限定相続の実務』(改訂2版)の該当頁参照も随所に置き、体系書と往復しながら読めます。
No.1「換金困難な遺産の処理」からNo.92「配当弁済と強制執行手続との関連」まで、92の問答を掲示板の投稿順に配列。本文107ページ。民法改正(相続財産清算人)にも注記で対応。
多くの貸金業者が「年利」と称して用いる「年365日計算」や「全期間暦年計算」は、実のところ年利計算ではありません。本書は、貸金業法施行規則の別表が刑罰付きで義務づける算式の意味を正面から読み解き、借り主を守るために法が本来求めている「正しい利息金計算」を明らかにする、実務家のための一冊です。
民法が想定する期間計算・利息金計算の構造から説き起こし、別表算式の意味を一段ずつ解きほぐします。「年365日計算」「全期間暦年計算」がなぜ“詐称の年利計算”なのかを論理的に立証し、弁済日当日の利息金を残元金計算に加算しない「弁済当日利息不加算説」を提示。最高裁判例・調査官解説から法務局・裁判所の実務まで、幅広い資料を検証します。
第一章 民法想定の利息金計算の方法/第二章 貸金業法施行規則別表の算式(別表の意味・弁済当日利息不加算説・実務指針の検証)/第三章 利息制限法と貸金業法、同法施行規則。巻末に関連法令の抜粋を収録。A5・91頁。
法律の教科書には載っていない「生きた刑事裁判」の実像を、元裁判官・現役弁護士だからこそ語れる視点で余すところなく解説する一冊。裁判員制度が始まったいま、すべての国民が「裁く側」になりうる時代です。
著者は神戸地裁判事補・神戸簡裁判事を経て大阪弁護士会に登録した、「裁く側」と「弁護する側」の両方の視点を持つ異色のキャリアの持ち主。逮捕・勾留から公訴提起・公判・控訴審・刑の執行に至るまで刑事手続きの全体像を体系的に解説し、裁判員として法廷に臨む市民が「何を見るべきか」「何を問うべきか」を具体的に示します。
第1章 刑事訴訟の基本的な仕組み/第2章 逮捕・勾留と取り調べの現場/第3章 自白調書の法的効力と罠/第4章 捜査の二重構造と証拠の作られ方/第5章 公訴提起から公判廷の攻防へ/第6章 自由心証主義と誤判のメカニズム/第7章 裁判員として知っておくべき視点/第8章 控訴・上告・刑の執行
裁判官は、何も見えない舞台の前に座っている。原告は「虎だ」と言い、被告は「豹だ」と言う。証拠は、それぞれが手にした懐中電灯の光だけ——。民事訴訟の構造を、ひとつの「劇場」にたとえて、やさしく、しかし本格的に解き明かす画期的入門書です。
民事訴訟法を中学生・高校生・家庭の主婦・一般市民にも理解できる平易な言葉で解説。著者は元・地裁判事補/簡裁判事を経て現役弁護士となった、裁判の現場を内側からも外側からも知る稀有な書き手です。本書を読んだ大学教授は「民事訴訟法を、これだけ易しく教えられるのか!!」と感嘆し、家庭の主婦は「なぁ〜んだ。裁判の仕組みって、そういうことだったの〜」との感想を寄せています。
第1編「中学生にわかる民事訴訟の仕組み」(全7章)で訴訟の基本構造を解説し、第2編「高校生にわかる法律的な見方・考え方」(全7章)では、法律家の思考方法と法律的価値判断の仕組みを掘り下げます。中学校・高等学校から各種教育機関のテキスト・マニュアルとしても活用できます。
本書は、「お金の貸し借り」をめぐる法律のしくみを、消費貸借契約の基本からやさしく解き明かす入門書です。中学生にも、家庭でも読める平易さで、利息・利率・過払い金まで一気に見通せます。
「消費貸借」という契約の名前から説き起こし、お金の貸し借りに関わる法律の全体像をつかめます。利息と利率、遅延損害金、利息制限法の上限を具体的な数字とともに解説し、グレーゾーン金利と過払い金返還請求の歴史的経緯まで平易な言葉で整理。利息計算の「年単位・月単位・端数期間」の考え方、閏年(2月29日)の扱いまで丁寧に説きます。
第1章 貸し金契約の名前(消費貸借とは)/第2章 利息金と遅延損害金など(利率・利息制限法・過払い金・利息計算の構造・弁済・多重債務・保証人・アドオン利率)/付録 「かんたん計算くん」の紹介
「裁判」とひとことで言っても、民事裁判と刑事裁判はまったくの別物です。目的も、生い立ちも、審理の構造も——そのどれもが根本から異なっています。本書はシリーズ第3巻。これまで民事訴訟の基本を学んできた読者に向けて、刑事裁判を民事裁判と比較しながら、その本質的な特性を解き明かします。
「法律があるから裁判があるのではない。まず裁判があって、紛争を解決する決まりが、やがて法律になっていった」——この“裁判と法の逆転現象”から説き起こし、罪刑法定主義、人権思想、三権分立を経て、刑事裁判が獲得した本質にたどりつきます。核心となるのが「批判的国家権力」という視点。刑事裁判所は治安を維持する機関ではなく、国家(検察官)の処罰要求を批判的に検討し、その正当性を吟味することこそが使命である、と著者は説きます。
第1章 民事裁判と刑事裁判は、赤の他人/第2章 刑事裁判の公判審理の構造/第3章 裁判所の国家機関としての役割、限界、そして宿命。巻末に全26の注書き(条文・判例・用語解説)を収録。
「天然」「無添加」「有機」——そのことばを、私たちはどこかで「安全」と同じ意味に受け取ってはいないでしょうか。食品業界に四十年以上携わった著者が、毎日の食卓にある身近な食べものを科学の目で点検しなおす一冊です。
牛乳、粉ミルク、トランス脂肪酸、遺伝子組換え、タール色素、食品添加物——テレビや広告でくり返し語られる「常識」を、出来上がった物そのものの安全性という観点から検証します。むずかしい専門書ではなく、イラストをまじえて平易に語りながら、その根拠は一貫して科学に置かれています。
第1章「だいじょうぶですか?」——牛乳・粉ミルク・遺伝子組換え・タール色素・食品中の発がん物質など、身近な17の品目を一つずつ点検。第2章「教えて!」——成形肉・製造所固有記号・「健康食品」「天然」「無添加」表示の謎を解き、原材料表示・アレルギー表示・日付表示のルールをEU・スウェーデン・韓国など各国基準と比較しながら問いなおします。
中村幹雄。1947年三重県生まれ。名古屋市立大学大学院薬学研究科修了。食品原料・色素・香料の品質保証と研究に長く携わり、厚生労働省・第8版食品添加物公定書検討会構成員、消費者庁・食品表示一元化検討会委員などを歴任。2016年には参議院TPP特別委員会で参考人をつとめた。
カップ麺に20種類超、スーパーの寿司に15種類以上の添加物。「安全」と言われ続けてきたその添加物が、欧米の大規模疫学研究で問われ始めています。本書は、食品添加物の開発・品質管理に30年以上携わった薬剤師・中村幹雄と、「食品の裏側」を訴え続ける安部司が、難しい専門用語を使わずに書き下ろした食品添加物の入門書にして警告の書。「知ること」が、食卓を変える第一歩です。
食品添加物の開発者と「食品の裏側」の第一人者による初の共著。異なる視点が交差することで、教科書にも書けなかった現場の実態が浮かび上がります。身近な食品(カップ麺・ハム・スーパーの寿司・清涼飲料水など)を実名で解説し、ラベルを手にしたその場で役立ちます。10万人×10年規模のコホート研究など、「ADI以下だから安全」という通説を揺るがす欧米の最新知見も平易に紹介。
第1部「知っていますか?食品添加物」——実演つき講演会の衝撃から、身近な食品の実態、超加工食品と「取りすぎ3兄弟(塩・油・糖)」まで。第2部「食品添加物の実体と安全性」——人工甘味料・着色料・発色剤・保存料・防かび剤・香料など15カテゴリーを一章ずつ解説。第3部——2024年の小林製薬の紅麹サプリ事件を徹底検証し、食品原料「紅麹」と食品添加物「ベニコウジ色素」の違いを解きほぐします。
「同族会社はダメ会社」——その思い込みを、税理士四十年・三千人超の経営者を見てきた著者が覆す。学生時代は「あれは同族会社だからやめておけ」と言っていた著者が、四十年の実務を経てたどり着いた確信——「経営はオーナー経営でなければならない」。本書は、大企業の経営学では測れない中小企業=同族会社の本質を、特に家業を継ぐ二代目に向けてやさしく、しかし容赦なく説く一冊です。
倒産率・資本の蓄積・利益とキャッシュの違いといった「数字」と、創業の精神・二代目の心構えという「人間学」の両輪で構成。バブル後に書かれた原稿を約二十年を経て再編集した、色あせない中小企業論です。巻末付録「今日の言葉(日めくりカレンダー)」で、毎日読み返せる経営の箴言を収録しています。
第1編「同族会社はすばらしい」——経営は社長一人で決まる/資本の蓄積システム/オーナー経営に関する誤解。第2編「ボンクラ息子のための2代目講座」——永遠に栄える企業はない/2代目の弱点/2代目が心掛けること(働き者であること・人に慕われること・師をもつこと ほか)/2代目がどうしても理解しなければならないこと。付録 今日の言葉。
本書は、昭和二十一年(1946年)に公布され、翌昭和二十二年五月三日に施行された「日本国憲法」の全文を、e-Gov法令検索の利用規約に従って編集・発行した法令テキストです。前文と全十一章・百三条——この国のかたちを定めた基本法を、解説や注釈を加えず、条文そのままに収めました。
日本国憲法の三つの柱は、国民主権・基本的人権の尊重・平和主義。条文ひとつひとつは、戦前の苦い経験を踏まえ、「侵すことのできない永久の権利」として現在および将来の国民に託されたものです。立憲主義の核心は、憲法とは「国民が権力を縛る最高法規」であって「権力が国民を縛る法規」ではない、という一点にあります。向きを、間違えてはならない。
「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」。憲法尊重擁護義務を負うのは、権力の側です。憲法とは、国民が権力に課す枠そのもの。改憲議論に向き合うためにも、まずは原文を、自分の目で読む——本書は、そのための一冊です。
前文/第一章 天皇/第二章 戦争の放棄/第三章 国民の権利及び義務/第四章 国会/第五章 内閣/第六章 司法/第七章 財政/第八章 地方自治/第九章 改正/第十章 最高法規/第十一章 補則(第百条〜第百三条)。Kindle版とペーパーバック版を用意。
三国志の英雄たちは、はじめから英雄だったのか。正史の行間には、まだ名もなき若者たちの日々が眠っている。本書は、英雄たちの「知られざる前半生」を丹念に掘り起こした連作シリーズの開幕、第1巻です。
後漢末期。宦官の専横と飢えに疲弊した民の中から、一人の青年が立ち上がる。城門の外で瓦を割り、振り返りもせず歩み去ったその若者の名は、張角——やがて百万の信徒を率い「黄天当立」を叫ぶ黄巾軍の教祖となる男である。第1巻は、その張角の前半生を描く長編「黄色い蟻」を完全収録します。
2010年初版の全21編を全5巻に分けて復刻。第1巻は長編「黄色い蟻」を完全収録。年譜・系図付き。
市之倉三郎。正史の記録を丹念に読み解き、演義の美化・誇張を排して、通説に埋もれた人間の姿を描く歴史小説家。
三国鼎立の時代が静かに幕を下ろしていくなかで、歴史の裏側に生きた人々の姿が浮かび上がる。2010年発行の全21編の連作を全5巻に再編した歴史小説シリーズ、待望の最終巻。三国志演義の英雄礼賛を離れ、陳寿の正史に基づきながら、演義では黙殺された人物たちに光を当てた著者独自の三国志異聞です。
英雄なき時代に、人はいかに生き、いかに滅びるのか。魏・蜀・呉それぞれの黄昏を、権謀術数の渦中に生きた人物たちの視点から描きます。正史に基づいた丁寧な人物描写と、演義では黙殺された人々への温かな眼差しが、この最終巻においても揺るぎなく貫かれています。
初版2010年5月(原著)/2026年復刻。349ページ。年譜・系図付き。本巻をもって全5巻シリーズ完結。
市之倉三郎。三国志演義の英雄偏重に疑問を抱き、陳寿の正史を丹念に読み込んで人物の実像に迫った歴史小説家。正史の行間に息づく人間の哀歓を掬い上げた、静かで深みのある三国志文学。
家では兄たちに抑えられて「味噌っかす」扱い。それでも一歩外に出れば、めんこもベーゴマも相撲も負けないガキ大将——。昭和十七年春、国民学校五年生になった良夫の毎日は、遊びの工夫と小さな見栄で輝いていた。だが時代は、その少年をも巻き込んで、暗く、ひもじく、激しく動いていく。戦中戦後の八年間を、少年の目の高さのまま描き切った自伝的長編小説です。
一九四二年から一九五〇年まで——国民学校五年生の春から大学受験の朝まで——の八年間を、少年・良夫の視点で一貫して描きます。双葉山・前田山に憧れた相撲遊び、海洋少年団、中学での軍事教練と勤労動員、配給と食糧難、疎開、空襲、敗戦、学制改革。教科書の年表に並ぶ出来事が、遊びの熱中と空腹の実感を通して「暮らしの歴史」として立ち上がります。戦後は庭先の養鶏に熱中。孵卵器でヒヨコを孵し、シャモに情を移す描写など、復興期の生活の細部がみずみずしい一冊。
全二十四章+あとがき(333ページ)。前半は戦中の東京——学校と遊び、海洋少年団、中学入学、勤労動員と食糧難。中盤は母の郷里への疎開と敗戦。後半は戦後の暮らし——養鶏への熱中、学制改革、進路への迷い——を経て、大学受験の教室の静けさで幕を閉じます。同人誌「浮標」連載作をまとめた2007年初版の復刻版。
市之倉三郎(いちのくら・さぶろう)。一九三二年、東京生まれ。「浮標の会」同人。著書に『方円』(近代文芸社)、『ナンナルの竪琴』(トレビ文庫)ほか。
後漢の末、天下を望んだ者たちの実像を、正史の眼で描く三国志異聞。全21編を全5巻に分けて復刻する、その第2巻。演義の脚色を離れ、陳寿の正史に基づいて、董卓・袁紹・賈詡という対照的な三人をそれぞれ主役に据えます。
三編に加え、巻末付録として名前一覧・年譜・系図、あとがきを収録(四六判・217頁)。人物関係を確かめながら読み進められます。Kindle版とペーパーバック版を用意。
市之倉三郎(いちのくら・さぶろう)。1932年東京生まれ。「浮標の会」同人。著書に『方円』(近代文芸社)、『ナンナルの竪琴』(トレビ文庫)、『味噌っかす』(オブアワーズ)ほか。
曹操と関羽の間に生まれた、義理と欲の入り混じる「貸し借り」。呉夫人への思慕を封じ、国のために生き抜いた老参謀・張昭。上に篤く下に薄い豪傑ぶりが招いた張飛の悲劇。侠客から呉の猛将へ転じた甘寧の孤高。そして、ひとつの言葉のすれ違いが軍師・龐統を死地へ導いた落鳳坡——。正史の眼で読み直す三国志異聞、第3巻です。
三国志演義の美化と誇張を排し、陳寿の正史に基づいて英雄たちの実像に迫る全21編・全5巻復刻シリーズの第3巻。本巻の主題は「義理と情」。武や知ではなく、人と人との貸し借り・恩義・情のもつれが、英雄たちの運命をどう決めたかを描きます。
上記5編を収録。巻末付録として登場人物の名前一覧・年譜・魏呉蜀の系図を掲載。Kindle版とペーパーバック版を用意。
市之倉三郎(いちのくら・さぶろう)。1932年東京生まれ。「浮標の会」同人。演義の英雄偏重に疑問を抱き、陳寿の正史を丹念に読み込んで人物の実像に迫った。著書に『方円』『ナンナルの竪琴』『味噌っかす』ほか。
神医と讃えられた華佗は、なぜ獄中に果てたのか。三十年の武勲を誇った于禁は、なぜ一度の降伏ですべてを失ったのか。才を持つことが、そのまま身の危うさとなった時代——三国の乱世を生きた七人の男たちの晩節を、正史の眼で描きます。
三国志演義の美化と誇張を排し、陳寿の正史に基づいて英雄たちの実像に迫る全21編・全5巻復刻シリーズの第4巻。本巻の主題は「才ある者たちの晩節」。武勇伝ではなく、才と権力の相剋、名声の脆さ、報われぬ忠義——正史の行間に息づく人間の哀歓を、静かな筆致で掬い上げます。
上記7編を収録。巻末付録に名前一覧・略年表・系図を掲載。Kindle版とペーパーバック版を用意。
市之倉三郎(いちのくら・さぶろう)。本名・礒部徹三。1932年東京生まれ。「浮標の会」同人。著書に『方円』(近代文芸社)、『ナンナルの竪琴』(トレビ文庫)、『味噌っかす』(オブアワーズ)ほか。