有印私文書偽造、同行使、詐欺、電子計算機使用詐欺=大阪地裁昭和63年10月7日判決

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行為
A女
銀行オンラインシステムの預金端末機を操作し、同銀行の預金管理電子計算機に、合計70万円の入金があった旨の虚偽の情報を与え、同電子計算機に接続されている記憶装置の磁気ディスクに記録された預金残高をX円とし、不実の電磁的記録を作り、70万円相当の不法の利益を得

A女とD男と共謀のうえ
前同方法により90万円相当の不法の利益を得

A女及びB男は、D男と共謀のうえ
C銀行の振り込み依頼書に、振り込み先をF銀行、受取人欄にG、金額欄に4500万円、振込人欄にH証券(株)と記載して、振込依頼書一通を偽造し
Aにおいて、C銀行関せ担当者に偽造にかかる振込依頼書を交付し、同為替担当者をして為替端末機を操作させて全国銀行端末データー通信システムをを通じ、F銀行G名義普通預金口座に4500万円を振り込み入金させて不法の利益を得た。

結果
A女
 合計160万円の不法の利益取得
 4500万円の不法の利益取得
B男
 4500万円の不法の利益取得

量刑
A女
 懲役2年
B男
 懲役1年6月 執行猶予4年

 160万円詐取
 4500万円詐取
A女
 分不相応なにふける生活遊興
 偶発的なものではない
 夫に対する不満から精神的安定欠落
 金員不正取得を自慢し、黄金の右腕がある、と言ってはばからない-銀行員のモラル欠如
 健全な社会人としての自覚欠落
 かつら、眼鏡等変装用具準備
 振込依頼書押捺用ゴム印準備(指紋残留阻止目的)
 署名練習
 銀行業務多忙な月末を狙う
 犯行への逡巡があまり認められない
 銀行は被詐取金員の大半回収ずみ
 被害弁償済み、示談成立
 前科なし
 深く反省
 事件報道大きく、社会的制裁受けた
B男
 4500万円詐取に加担
 娘の結婚資金欲しさが動機
 犯行加担役割は、小さい
 被害弁償、示談成立
 交通以外前科なし
 深く反省

検討
  • 電子計算機使用詐欺の法定刑は、10年以下の懲役
  • 詐欺の法定刑は、同上
  • 有印私文書偽造は、5年以下-3月以上の懲役
  • 同行使は、同上
  • 詐欺の判決量刑の多数は、1年ない3年の間
  • 量刑及び実刑と猶予の配分は、穏当か

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