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平成24年度診療報酬改定について・答申書

平成24年2月10日に開催された「第221回中央社会保険医療協議会総会」での資料です。





平成24年2月10日


 厚生労働大臣
  小宮山 洋子 殿


中央社会保険医療協議会
会長 森田 朗



答 申 書(案)

(平成24年度診療報酬改定について)


 平成2 4年1月1 8日付け厚生労働省発保0118第1号をもって諮問のあった件について、別紙Tから別紙8までの改正案を答申する。
 なお、答申に当だっての本協議会の意見は、別添のとおりである。平成24年度診療報酬改定に係る答申書附帯意見

(別添)

(急性期医療の適切な提供に向けた医療従事者の負担軽減等)

1 初再診料及び入院基本料等の基本診療料については、コスト調査分科会報告書等も踏まえ、その在り方について検討を行うこと。なお、歯科は単科で多くは小規模であること等を踏まえ、基本診療料の在り方について別途検討を行うこと。その上で、財政影響も含め、平成24年度診療報酬改定における見直しの影響を調査・検証し、その結果を今後の診療報酬改定に反映させること。また、医療経済実態調査のさらなる充実・改良等により、医療機関等の協力を得つつ経営データをより広く収集し、診療報酬の体系的見直しを進めること。

2 救急医療機関と後方病床との一層の連携推進など、小児救急や精神科救急を含む救急医療の評価について影響を調査・検証するとともに、その結果を今後の診療報酬改定に反映させること。

3 病院勤務医等の負担の大きな医療従事者の勤務体制の改善等の取組に係るさらなる措置(時間外対応加算を含む。)については、その効果を調査・検証するとともに、いわゆるドクターフィーの導入の是非も含め、引き続き、医師や看護師等の勤務の負担軽減に関する検討を行うこと。

4 次に掲げるチーム医療に関する評価について、調査・検証を行うこと。
 ・薬剤師の病棟業務(療養病棟又は精神病棟における業務を含む。)
 ・歯科医師等による周術期等の口腔機能の管理
 ・糖尿病透析予防指導による生活習慣病対策の推進・普及の実態
 ・栄養障害を生じている患者への栄養状態改善に向けた取組
 等

(医療と介護の連携強化、在宅医療等の充実)

5 在宅医療を担う医療機関の機能分化と連携等による在宅医療のさらなる充実や後方病床機能の評価について検討を行うこと。

6 効率的かつ質の高い訪問看護のさらなる推進について検討を行うこと。

7 維持期のリハビリテーションについては、介護サービスにおけるリハビリテーションの充実状況等を踏まえ、介護保険サービスとの重複が指摘される疾患別リハビリテーションに関する方針について確認を行うこと。また、廃用症候群に対する脳血管疾患等リハビリテーションの実施状況について調査・検証するとともに、その結果を今後の診療報酬改定に反映させること。

(質が高く効率的な医療提供体制)

8 病院機能に合わせた効率的な入院医療を図るため、一般病棟入院基本料、亜急性期入院医療管理料等の見直しについての影響を調査・検証するとともに、その結果を今後の診療報酬改定に反映させること。特に、一般病棟入院基本料(13対1、15対1)算定病棟における特定除外制度の見直しについても、平均在院日数の変化等の影響を調査・検証をすること。さらに、一般病棟(7対1、10対1を含む)、療養病棟、障害者病棟等における長期入院の詳細かつ横断的な実態の調査も含め、慢性期入院医療の適切な評価の見直しについて引き続き検討を行うこと。

9 以下の経過措置については、現場の実態を踏まえた検討を行い、必要な措置を講ずること。
 ・一般病棟における7対1入院基本料の算定要件の見直しに係る経過措置
 ・特殊疾患病棟や障害者施設等から療養病棟に転換した場合に対する経過措置

10 DPC制度については、医療機関群の設定、機能評価係数Hの見直し等の影響を踏まえながら、今後3回の改定を目途に継続する段階的な調整係数の置換えを引き続き計画的に実施すること。その際、臨床研修制度を含めた他制度への影響についても十分に調査
・検証するとともに、見直し等が必要な場合には速やかに適切な措置を講じること。
 また、DPC対象の病院と対象外の病院のデータの比較・評価を行うこと。

11 医療提供体制が十分ではなく医療機関の機能分化を進めることが困難な地域に配慮した評価の見直しについて影響を調査・検証するとともに、診療所を含む当該地域全体の医療の状況の把握なども踏まえ、その結果を今後の診療報酬改定に反映させること。

12 平均在院日数の減少や長期入院の是正など、入院医療や外来診療の機能分化の推進や適正化について引き続き検討を行うこと。

13 診療報酬における包括化やITイヒの進展等の状況変化を踏まえて、診療報酬の請求方法や、指導・監査等適切な事後チェックに資するための検討を引き続き行うこと。

(患者の視点に配慮した医療の実現)

1 4 診療報酬項目の実施件数の評価等を踏まえた診療報酬体系のさらなる簡素・合理化(今回改定の医療現場への影響を含む。)、明細書の無料発行のさらなる促進(400床未満の病院や公費負担医療に係る明細書の無料発行を含む。)、医療安全対策や患者サポート体制の評価の効果について検討を行うこと。


(医薬品、医療材料等の適正な評価)

15 長期収載品の薬価のあり方について検討を行い、後発医薬品のさらなる普及に向けた措置を引き続き講じること。

16 手術や処置、内科的な診断や検査を含めた医療技術について、医療上の有用性や効率性などを踏まえ患者に提供される医療の質の観点から、物と技術の評価のあり方を含め、診療報酬上の相対的な評価も可能となるような方策について検討を行うこと。

17 革新的な新規医療材料やその材料を用いる新規技術、革新的な医薬品等の保険適用の評価に際し、算定ルールや審議のあり方も含め、費用対効果の観点を可能な範囲で導入することについて検討を行うこと。

(その他の調査・検証事項)

18 上記に掲げるもののほか、今回改定の実施後においては、特に以下の項目について調査・検証を行うこととすること。

 (1)在宅医療の実施状況及び医療と介護の連携状況
 (2)在宅における歯科医療と歯科診療で特別対応が必要な者の状況
 (3)慢性期精神入院医療や地域の精神医療、若年認知症を含む認知症に係る医療の状況
 (4)一般名処方の普及状況・加算の算定状況や後発医薬品の処方・調剤の状況
 (5)診療報酬における消費税の取扱い
 (6)医療機関における裾庸の発生等の状況

 なお、上記1-1 8の事項については、できるだけ早急に取組を開始し、その進捗について報告すること。 さらに国民がより質の高い医療を受けることが出来るよう、医療提供体制の機能強化に係る関連施策との連携、また、国民に対する働きかけを含めて幅広い視点に立って、診療報酬のあり方について検討を行うこと。

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