改訂限定相続の実務 一覧

限定承認者の相続債権者調査義務の存否

Q 限定承認者には、相続債権者を調査のうえ請求の催告をする義務があるのか。

A 東京地裁平成13年2月16日判決

  「民法934条1項の損害賠償請求の根拠とされる民法927条2項が準用している民法79条3項が、個別に請求の申し出を催告する対象を「知れたる債権者」としていることからすると、民法934条1項の損害賠償責任を負うのは、相続の限定承認に基づく清算手続の実施の時点(正確には、限定承認の公告の際に定めた相続債権者及び受遺者による請求の申し出の期間内)において、限定承認者が相続債権者あるいは受遺者であると認識していたにもかかわらず、あえて当該債権者等に対し個別の催告をせず、または、失念あるいは法律の規定の不知により個別の催告を怠ったような場合に限られると解すべきである。」
  この東京地裁判決は、積極的に相続債権者を調査のうえ請求催告する義務を否定している。

詳しくは「改訂限定相続の実務」で。
Q 被相続人が被告となった損害賠償請求係争中に、相続が発生し(相続財産中に不動産もある)、限定承認手続きをとった。係争中の原告以外には、債権者は現れず、限定承認をしたという形とみなし譲渡所得課税だけが残った。 
 係争事件について、万一敗訴した場合でも、債務に対する限定責任という主張は有効なのか。

A 当然、限定承認に基づく「債務の限定責任」は有効に主張できる。
  なお、相続人ないし財産管理人が債務の存在を争っている場合には限定承認手続きの中で債権者として取り扱わなくてよいとされている(新版注釈民法27の528頁参照)。

詳しくは「改訂限定相続の実務」で。

多種多様な相続事案に活用できる優れた制度

(著者からの言葉?弁護士五右衛門・大阪弁護士会服部廣志より) 

法律と税務が交錯する「限定相続」については、弁護士も会計士、税理士も、その不勉強が理由で避けてきた。

「限定相続は危険だから避けた方がいい」と言う人もいる。マクロ的には限定相続をした者を保護するための「みなし譲渡所得課税の制度」がミクロ的には限定相続人に不利益を与えるという側面もあること、そして、限定相続の特質ともいうべき「責任限定の制度」等を正しく理解しないことに起因すると思われる。

専門家がこの限定相続から逃避し避けることにより、多くの限定相続を相当とする相続事件が単純相続ないし相続放棄という形態を選択させられることとなり、法律が予定した限定相続の採用が見送られてきた。

限定相続についての法律規制と税務を正しく理解し、その選択を誤ることがなければ、この制度が多種多様な相続事案に活用できる優れた制度であることがわかる。

「限定相続」は五右衛門さんの造語です

そもそも、「限定相続」という用語は、法律では使われていません。五右衛門さんが、7年前に「限定相続の実務」を執筆されるときに、法律で定めるところの「限定承認をして相続すること」を、ひと言で「限定相続」と表現したのが切っ掛けです。いわば、五右衛門さんの造語なのです。

一方、相続に際して、限定承認を使っての方法を解説した実務書は、「限定相続の実務」しか発行されていませんでした。このため、多くのみなさんに、ご購読、ご利用いただきました。そして、最近では、限定承認して相続することを、「限定相続」と言われるようになってきました。

ちょっとした豆知識のご紹介でした。

「改訂限定相続の実務」の販売を開始しました。

改訂限定相続の実務

弁護士 五右衛門 (大阪弁護士会所属 弁護士 服部廣志)著
ISBN978-4-902182-12-5
A5判316頁 発行 オブアワーズ
定価 4410円(本体4200円+税)

発行予定日は5月18日です。予約注文の受付を開始しました。

ぜひ、ご利用ください。





大阪弁護士会 弁護士 末澤誠之 推薦!!

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「改訂限定相続の実務」初校中

初校を五右衛門さんにお願いした。
A5判で、300頁をちょっと超えそうだ。初版より100頁程のボリュームアップ。もうちょっといくかも知れない。

「改訂 限定相続の実務」脱稿しました。

著者の五右衛門さんに、この正月休みに集中して原稿を執筆して頂きました。

このブログで、「限定相続の実務」の改定版を発行することをお知らせしてから既に2年になります。長い間お待たせして申し訳ありませんでした。今年の春には発行できると思います。

発行予定日や価格など、具体的なことが決まり次第、このブログでお知らせしてまいります。

限定相続の実務の改定版発行について

「限定相続の実務」は、現在、著者の五右衛門さんが、改定版の執筆中で、現在佳境に入ってきております。内容も初版本に比べかなり多く、充実したものになりそうです。

発行予定日ですが、早ければ、この冬が深まるまでには発行したいと考えています。しかし、現在、原稿を執筆いただいている最中ということもあり、発行をご期待いただいているみなさまには、大変に申し訳ありませが、ハッキリと知らせできるまでには至っていません。

発行の予定がハッキリしましたら、このブログで知らせ致します。

執筆が遅れています

 「改定 限定相続の実務」は、今春発行予定で準備を進めてきました。しかしながら、ここのところ執筆に集中できない種々事情が発生して、原稿の執筆が滞っております。

 こういった状況ですが、四月中旬には、種々の事情もほころび、発行の見通しもお知らせできるのではないかと思っております。

問答集の本文への取り込み作業中

「限定相続の実務」をご購読いただいたみなさんから、実務上での多くのご質問を頂き、それにお答えしてきました。今回の改訂版では、より実務に役立てていただけるように、ここでの問答の内容を本文に取り込んで、発行しようと考えております。
 現在、問答の整理と本文への取り込み作業中ですが、残すところ後20項目位になってきました。

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