IT技術者のためのデジタル犯罪論  弁護士 五右衛門(大阪弁護士会所属 服部廣志)

  目  次

電磁的記録保護の必要性

2 電磁的記録保護罪の新設

イ 電磁的記録保護の必要性 

 さらに、刑法の追加規定として、文書偽造の章等に設けられた電磁的記録不正作出及び供用の罪や支払用カード電磁的記録に関する罪がある。

 今、社会は電子政府を目指している。

 行政の事務処理をコンピューターを介して行い、国民が自宅から、行政に関与できるようにするといった構想でしょうか。社会の経済取引なども、文書に記載された契約書などで合意を確認して行われてきたものが、メールやネット上の表示やそれに基づく合意による規制を受けながら行われるようになってきている。

しかし、
このような時代になる前には、行政の事務処理は、その多くは、文書、書面により行われていたのである。重要な文書などはすべて紙に記載して保管し、また紙に記載して証明その他の行政行為が行われていた。契約等の経済取引も同様である。

 この旧来の時代においては、行政や経済取引において重要なものは、紙、書面であった。

  ところが、このような紙、書面は、コンピューターの電磁的記録にとって代わられようとしている。重要なのは、コンピューターのハードディスクなどに記録されている電磁的記録であると。

 このような社会の流れのなかで、刑法は改正され、電磁的記録に関する諸規定が設けられていったのである。

 

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