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雑談 一覧

読売新聞の元北京総局長がナベツネ忖度体制の記事潰しを告発!「読売は中国共産党に似てる、日本の人民日報だ」
http://lite-ra.com/2016/06/post-2328_4.html
LITERA

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読売新聞会社案内サイト「読売新聞へようこそ」より


 世界一の発行部数を誇る読売新聞がいよいよおかしなことになってきた。"紙面統一"の名の下に安倍政権に不利な報道が徹底的に排除されているのだ。

 たとえば、「今世紀最大級の金融スキャンダル」といわれたパナマ文書問題では登場する日本の企業名や著名人の名前が伏せられていた。あるいは、沖縄で起きた米軍属による女性殺害事件も他紙が詳細を報じているにもかかわらず、米軍関係者の関与については容疑者が逮捕されるまでは一行も触れていなかった。これらのことは、すでに本サイトでも既報のとおりだ。いずれも、政権にとってマイナスにならないようにという配慮ではないかとされている。

 実は、こんなことは氷山の一角なのだ。一般社団法人日本報道検証機構が8日、全国紙の「安保法制」関連報道の分析リポートを発表した。昨年5月〜9月の間の朝日、毎日、読売、産経の安保法制関連記事に出てくるコメントの数を調査したのだ。このうち、デモ関連の記事に出てくるコメント数の比較は圧巻だ。朝日214、毎日178に対して、なんと読売はたったの10。産経の11より少なかった。

 社論として安保法制賛成なのはいいとして、読売の読者にはあれほどの盛り上がりを見せた安保法制反対デモの参加者たちの声がほとんど届かなかったことになる。つまり、世の中で起きている「事実」でさえ、政権に都合の悪いことは報道しないという姿勢なのだ。同じように、沖縄では辺野古基地反対派の声はほとんど載らない。読売新聞だけを読んでいると、あたかもアベノミクスもうまくいっているような錯覚になるとさえいわれる。

 それだけではない。読売新聞では、政治的スタンスとは全く関係なく、特ダネを連発する記者には「禁止令」が出るらしい。リスクがあるから他紙より突出してはいけないというのだ。

 そのことを生々しく伝えているのが『習近平暗殺計画 スクープはなぜ潰されたか』(文藝春秋)である。著者の加藤隆則氏は読売新聞の元北京総局長。1988年に読売に入社、2005年以降は中国特派員として活躍し、その功績が認められて上海支局長、中国取材を統括する北京総局長を歴任。名実ともに、読売の中国報道をリードしてきた人物だ。とくに、胡錦濤政権から習近平政権への権力の移行期には、自らとっておきのネタを掘り起こし、署名記事で世界に先駆けてさまざまなスクープを報じてきた。

 ところが、そんなさなか、この敏腕記者に「特ダネ禁止令」が出され、「緊急帰国命令」まで出されたのだという。

 それは、2012年5月16日、中国共産党の「中央政治局常務委候補リスト10人」という加藤氏のスクープが、同紙の朝刊一面を飾った日の夕方のことだった。当時の坂元隆国際部長から加藤氏の携帯に「浅海保の言葉」として以下のような内容の通達があったのだという。

「一連の加藤電について大丈夫なのかと心配する声も中国をよく知る人物から届いている」「特ダネはしばらく冷却期間を置くことにする」

 さらに、6月5日、「急だけど、すぐに帰国するように」と帰国命令が下った。坂元国際部長は加藤氏を守るためだと説明したというが、実際は、加藤氏の身に危険が及ぶというような動きはまったくなかった。そこで、加藤氏は帰国を拒否。すると、会社は加藤氏を2013年、北京総局長から上海駐在編集委員に左遷してしまう。

 しかし、加藤氏はそれでもめげなかった。2015年、加藤氏は「習近平暗殺計画があった」ことを中国共産党幹部が公式に認めていたというスクープネタをつかむ。加藤氏は複数の証言をおさえるなど、慎重に裏取りして記事に仕上げ、東京に送った。

 ところが、出稿から1週間以上も放置されたあげく、本社は掲載を拒否してきた。加藤氏の裏取りは通常の掲載の条件を十二分に満たしていたが、国際部長は「物証がなければ載せられない」の一点張りだった。

 中国で政権中枢に関する情報の物的証拠を得ようとすれば、情報源も記者も刑事罰を覚悟しなければならない。これ以上、情報源を危険に晒すわけにはいかない。そう訴えても、聞く耳を持たなかったという。ようは、絶対にクリアできないハードルを設けて記事を潰したかったのだ。

 加藤氏は「物証がなければ報道できないというのであれば、報道機関の使命を果たすことはできない」と、自分の出処進退を賭けて掲載を要求したが、返ってきた答えは、「全容を物証として把握することは必須」とにべもなかった。

 結局、加藤氏はこの特ダネを世に問うために会社を辞め、フリージャーナリストとして取材をし直し、約3カ月後に月刊「文藝春秋」で発表した。

 この『習近平暗殺計画』には、加藤氏の暗殺計画をめぐる取材の詳細はもちろん、このスクープが潰された一部始終も詳しく書かれている。

 ちなみに、加藤氏のスクープはけっして、安倍政権に対して有利とか不利とかの影響を与えるものではない。にもかかわらず、なぜ読売新聞は、これを潰してしまったのか。

 加藤氏は最近、スタジジブリの雑誌「熱風」に連載されているジャーナリスト・青木理氏の対談に登場。その理由について述べ、読売新聞の最近のありようを改めてこう批判している。

「だんだん官僚的になって、事なかれ主義になっている。今の政権にくっついていればいいんだと。それ以外のことは冒険する必要はなく、余計なことはやめてくれと。これは事実だからいいますけど、読売のある中堅幹部は、部下に向かって『特ダネは書かなくていい』と平気で言ったんです。これはもう新聞社じゃない。みんなが知らない事実を見つけようという気持ちがなくなった新聞社はもう新聞社じゃないと僕は思います」
「この新聞社にいても書きたいことは書けなくなってしまった。そういう新聞社になってしまったということです。社内の人間は多くが息苦しさを感じている。(略)でも辞められない。生活もありますから。だからみんな泣く泣く、やむなく指示に従っている。」

 かつての読売は本田靖春氏や大阪の黒田軍団を引き合いに出すまでもなく、自由闊達な雰囲気があった。それが明らかに変わり始めたのは、今年5月30日の誕生日で90歳になった渡邉恒雄会長兼主筆が、1979年に論説委員長に就任してからだったという。渡邉氏はオーナー経営者でもなければ、販売の神様といわれた務台光雄氏のような実績があるわけでもない。権力基盤は非常に脆弱だった。そこで、飴とムチと権謀術数による支配を築くことに着手した。

 自らになびく相手は徹底的に大事にするが、歯向かう相手は完膚なきまでに叩きのめす。結果は功を奏して、渡邉氏は名実ともに読売トップとして全権を掌握することになる。渡邉氏が社長の座を手にしてからもう20年以上になる。この間に"反ナベツネ"勢力は徹底的にパージされている。いまや渡邉氏の周囲はイエスマンばかりで、社内には"事なかれ"と"忖度政治"がはびこるようになったという。

 独裁体制が長引くにつれて渡邉氏本人の意向ではなく、渡邉氏の意向を勝手に忖度する"忖度システム"が肥大化するようになる。いまや読売で出世するには取材力や企画力より"忖度力"が重要だといわれるほどだ。

 そして、この間いちばん変貌したのが読売社会部だった。かつて渡邉氏の出身の政治部と対立し、渡邉独裁体制を牽制する勢力としての存在感を示していたが、いまでは渡邉氏の"御庭番"として完全に取り込まれている。その中心を担っているのが、"ナベツネ防衛隊"とも呼ばれる法務部だ。もともと社会部出身者が担う部署だったが、数年前に法務室から法務部に格上げされ、社会部の司法担当経験者などエース級が集められるようになったという。

  彼らは訴訟対策など一般的な法務の仕事だけでなく、社内外の"反逆者"に対しても目を光らせている。2011年11月に起きたいわゆる"清武の乱"を鎮圧したのも法務部の面々だった。

 この法務部ついても、加藤氏は前述の対談でこう批判している。

「訴訟を起こされることが増え、当初は記者を守ることが目的だったんです。訴えられる時に記者を守る。そのリスク管理がいつのまにか会社のものになり、下手をすると経営者のものになってしまった」「読売は、その傾向が強い。なかば冗談で言うんですが、朝日新聞の社長が辞めましたね。共同通信の社長も辞めました。(中略)そういうことは読売では絶対起きません。下からパパパッとすぐ切っちゃいますから。」

 こうした強固なナベツネ支配体制の確立と引き換えに、読売が失ったものはあまりにも大きかった。加藤氏のような特ダネ記者は社を去り、紙面はどんどん画一化、硬直化していった。

 そして、今、読売は冒頭で指摘したように、他紙がすべて報じている事実でさえも、政府のお墨付きがない場合は一切書かなくなってしまった。忖度体制は、究極まで強化されてしまったといえるだろう。

 加藤氏は、先の「熱風」で現在の読売新聞の姿について、こんな辛辣な表現をしていた。

「(いまの読売は)中国の共産党と似ているんです。これも冗談ですが、『日本の人民日報だ』という奴がいました。逆に中国で『人民日報は中国の読売新聞だ』って言ったら人民日報の人が怒っちゃったなんて話があります(笑)」

 安倍政権と読売新聞によって、日本はどんどん中国のような国になっていくということなのだろうか。
(野尻民夫)

金森

安倍GDPがまたも民主党に惨敗...アベノミクスとは何だったのか?

http://www.mag2.com/p/news/207440
MAG2NEWS

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6月1日、消費税増税の再延期を正式表明した安倍総理。アベノミクスは巧く行っているとしつつも、「新しい判断」による再延期であると強調しました。メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』ではこの会見で総理が口にした数々の「アベノミクス成功の証」ともいうべきデータを「統計操作の幼稚なトリック」と一刀両断、さらに「アベノミクスは錯乱状態に入った」とまで言い切っています。

錯乱状態に入ったアベノミクス──安倍6月1日記者会見を精査する

スタートから3年を経たアベノミクスが巧く行っているのであれば、公約通り17年4月に消費税の10%への増税を断行すればいいのである。それを断行できないということは、アベノミクスは巧く行かず失敗に終わったという以外の何も意味しておらず、それは致命的な公約違反であるから、安倍晋三首相は国民に対して謝罪して内閣総辞職しなければならない。

ところが、何が何でも政権にしがみつきたい安倍は、アベノミクスは巧く行っているけれども消費増税は先延ばししなければならないのは何故かについて、ありとあらゆる詭弁を弄して、日本国民を騙そうとするならまだしも、サミットの場で世界主要国の首脳まで罠に掛けて自己正当化の道具に利用しようとする前代未聞の奇異な行動に出た。

首脳たちは、安倍の仕業に驚きながらも、外交的儀礼の範囲内で彼の主張に異議を唱えるにとどまったが、主要国のメディアは揃って、遠慮会釈もなく安倍の錯乱ぶりを批判するという、国辱的な事態が出現した。奇妙なのは日本のメディアで、この大失態を理由に安倍に退陣を迫る論調は湧き起こることはなかった

有効求人倍率のトリック

安倍がアベノミクスが巧く行っていることの理由の筆頭に挙げるのは雇用と賃金である。6月1日の記者会見で彼はこう言った。

有効求人倍率は24年ぶりの高い水準となっています。それも、都会だけの現象ではありません。就業地別で見れば、北海道から沖縄まで47の都道府県全て1倍を超えました。これは史上初めての出来事であります。1人の求職者に対して1つ以上の仕事があるという状況を創り出すことができたのです。

リーマンショック以来、減少の一途をたどっていた正規雇用は昨年、8年ぶりに増加に転じ、26万人増えました。この春の高校生の就職率は、24年ぶりの高さであります。大学生の就職率は、過去最高となりました。政権交代前から中小企業の倒産も3割減少しています。ここまで倒産が減ったのは、25年ぶりのことであります。

所得アップについても、連合の調査によれば、中小企業も含めて、一昨年、昨年に続き、今年の春も3年連続で、今世紀に入って最も高い水準の賃上げを実現することができました。今世紀に入って最も高い水準であります。それを実現することができたのです。そして、パートの皆さんの賃金も過去最高を記録しています。一部の大企業で働いている方の給料が上がっただけでは、決してありません。パートで働いている皆さんの時給も過去最高となっているのです。どうかここも見ていただきたいと思います。

雇用を創り、そして所得を増やす。まだまだ道半ばではありますが、アベノミクスは順調にその結果を出しています。......

有効求人倍率は、ハローワークで職探しをする人1人当たりに何件の求人があるかを示す数字で、それで結果的にどれだけの人が職を得ることが出来たかの実績とは関係がない。日本はすでに「人口減少社会」に突入し、総人口の減少より速いスピードで生産年齢人口が減少しつつあるので、中長期的・構造的に人手不足になるのは当たり前で、この率の上昇自体はアベノミクスの成果でも何でもない。しかも、近年は正社員の求人が減っているので、正社員の求人だけをみれば0.85倍にとどまっている(16年4月)。

安倍は正社員が増えていると盛んに言うが、2009年以降の各12月末の正規雇用、非正規雇用の変化は次のとおり(総務省「労働力調査」、万人)。

  正規雇用   非正規雇用
09 3360      1766
10 3375(+15) 1806(+ 40)
11 3325(-50) 1843(+ 37)
12 3330(+ 5) 1843(+ 0)
13 3283(-47) 1965(+122)
14 3281(- 2) 2003(+ 38)
15 3307(+26) 2015(+ 12)

14年末に比べて15年末に正規雇用が26万人増えているのは事実だが、そこだけ切り取ってアベノミクス成功の証にしようとするのは統計操作の幼稚なトリックで、13年末には47万人、14年末には2万人の減で、アベノミクスが始まる前の12年末と比べれば15年末は23万人の減である。それに対して非正規雇用は一貫して増え続け、12年末と比べて15年末は172万人の増である。

正規と非正規の割合は、80年代にはおおむね80:20、90年代後半から70:30、00年代には60台:30台と傾向的に差が縮まって、15年末には史上最小差の62.1:37.6であるから、そこだけを切り取って「非正規の比率は今世紀始まって以来の最高に達した」と表現することもできるのだが、安倍はそれについては触れないようにしている。

実質賃金の低下で消費も落ち込み

賃上げが「今世紀最高水準」だとか、パートの賃金も「過去最高」だとか言うが、それは名目の話で、厚生労働省の毎月勤労統計調査の「実質賃金指数」で見れば、4年連続でマイナスである。

   指数   前年比
10  100.0
11  100.1  +0.1
12   99.2  -0.9
13   98.3  -0.9
14   95.5  -2.8
15   94.6  -0.9

実質賃金が伸びなければ消費が伸びるわけがない。総務省の「家計調査」が示す2人以上世帯の年平均実質消費支出の対前年比(月別は対前年同月比)のアベノミクスが始まって以降の数字はこうである。

13  +1.0
14  -2.9
15  -2.3
16/1 -3.1
 /2  +1.2
 /3  -5.3
 /4  -0.4

消費は低迷を通り越して落ち込んでおり、消費がGDPの半分を占める最重要指標であることを思えば、この数字こそがアベノミクスの大失敗の明証である。

なお中小企業の倒産については、倒産件数と同時に「休廃業・解散件数」を見なければならない。特に個人事業主の高齢化と後継者不在は深刻で、倒産する前に廃業してしてしまうケースが多く、そうであれば倒産にはカウントされない。15年の休廃業・解散件数は2万6,699件で、リーマン・ショック後の09年の2万5,397件を上回っている。中小企業の総数は、12年の385.3万社から14年の380.9万社に4.4万社も減っている。

もう一度、上の安倍発言を見ると、短い文章の中に「24年ぶりの高い水準」「史上初めての出来事」「8年ぶりに増加」「24年ぶりの高さ」「25年ぶりのこと」「今世紀に入って最も高い水準」「過去最高を記録」といった言葉がこれでもかと散りばめられているが、ほとんどテキ屋の口上に等しいものであることが分かる。

なぜ「国民総所得」を持ち出すのか?

この記者会見では安倍はその言葉を使っていないが、彼がしばしば持ち出し、自民党の政権公約でも書かれているアベノミクスの実績に「国民総所得が36兆円増えた」という表現がある。

国民総所得(GNI=Gross National Income)とは、経済規模の大小を計るのに普通使われる国内総生産(GDP=Gross Domestic Production)に企業の海外での活動による収支を加えたもので、20世紀末まで国際的に使われていた国民総生産(GMP=Gross National Production)とほぼ同じものと考えてよい。なぜGNPを復活させたいのかと言うと、海外への投資で高い収益をあげたり、原油価格などの下落で安く資源を輸入できるようになると、その分がGNIに加算されてGDPより経済規模が大きく見えるからである。目眩ましに遭わないように、名目と実質のGDPとGNIの近年の数字(暦年、単位=億円)と対前年度伸び率(%)を掲げるので、じっくりと研究して頂きたい(内閣府国民経済計算より)。

 名目GDP    名目GNI     実質GDP    実質GNI
08 5012093(-2.3) 5180023(-2.3) 5182309(-1.0) 5182926(-2.6)
09 4711387(-6.0) 4842164(-6.5) 4895884(-5.5) 4973667(-4.0)

10 4826769(+2.4) 4956512(+2.4) 5126548(+4.7) 5151451(+3.6)
11 4715787(-2.3) 4862538(-1.9) 5103259(-0.5) 5083662(-1.3)
12 4753317(+0.8) 4903861(+0.8) 5192168(+1.7) 5161918(+1.5)

13 4790837(+0.8) 4967250(+1.3) 5292611(+1.4) 5239874(+1.5)
14 4868712(+1.6) 5066073(+2.0) 5261149( 0.0) 5231084(-0.2)
15 4992275(+2.5) 5221429(+3.1) 5289700(+0.5) 5361504(+2.5)

総じて、名目でも実質でも、GDPよりもGNIの方がプラスもマイナスも大きく表示されることが分かる。

安倍は13年6月に成長戦略第3弾を発表した時の会見で、「1人当たりの国民総所得を10年間で150万円にする」ことを目標として打ち出したが、これは、GDPすなわち国内経済の拡大だけでは150万円の所得増は達成できそうにないから、海外での稼ぎが大きく膨らむことを計算に入れ込んでゲタを履かせようという魂胆であることは明白。とはいえ、12年の1人当たりGNI=384万円を150万円上積みして534万円まで持って行くには、GNIが年率3.1%で成長させることが必要で、どちらにしても達成は難しい。

ところで、上の表を見て気づくことは、大ざっぱに民主党政権時代と呼んでいい10年から12年の合計成長率と、アベノミクスが始まった13年から15年のそれと、それぞれ3年間を比べると、実質GDPで、民主党時代が5.9%であるのに対し、安倍政権時代は1.9 %にとどまっていることが分かる。

民主党が政権交代を果たしたのはリーマン・ショックのちょうど1年後の09年9月で、すでに始まっていた09年度と翌10年度を通じて15兆円もの歳入欠陥(予定した税収が入って来ない事態)が生じた。誰が政権に就いていようとパニックに陥って不思議はないその危機の中で、しかし同政権は、「コンクリートから人へ」のスローガンの下、無駄な大型公共事業の思い切って削減した分を文教予算に回して(省庁縦割りを超えた予算の再配分は明治以来初めて!)高校授業料無償化や小学校の30人学級化、小中学校校舎の耐震化などを実行した。さらに11年には東日本大震災と福島原発の事故という未曾有の危機に直面したが、それでもなお、12年末に安倍に政権を譲るまでに、それだけの成長を達成している。

それに比べて安倍は、6月1日の会見で自ら述べたように「現時点でリーマンショック級の事態は発生していない」し、「熊本地震を大震災級だと言うつもりもない」という中で、民主党時代の3分の1の成長しか実現していない。

それでいて安倍は、選挙演説で盛んに「アベノミクスは失敗していない。野党が批判するなら対案を出せ」などと叫んでいるが、アベノミクスへの対案を出さなければならないのは、まずもって、安倍である。

世界の中で恥ずかしい国

安倍は6月1日の会見で、こう言った。

中国など新興国の経済が落ち込んでいます。その中で、世界経済において、需要の低迷、また成長の減速が懸念されているわけであります。こうした世界経済のリスクについて、今回、伊勢志摩の地において、日本が議長国として行ったサミットにおいて、この世界経済の状況、リスクについて認識を共有したわけであります。そうした中において、新たな危機に陥ることを回避するため、適時に全ての政策対応を行うことで合意をし、これが首脳宣言に明記されたわけであります。

G7と協力して、日本としても構造改革の加速や財政出動など、あらゆる政策を総動員していかなければなりません。それが正に今回、議長国として首脳宣言を作成する、いわばリーダーシップをとった国の責任でもあろうと思います。正にこういうリスクのある中において、需要が低迷する、成長が減速する、このリスクの中でやるべきことを全てやっていかなければならないという中において、私たちが進めてきた、いわば「三本の矢」の政策を、G7でこの「三本の矢」の政策を進めていく。この認識を共有したわけであります。この認識を共有する中において、この議論を主導した議長国日本としての責任があるだろうと思います。

その中で、先ほど申し上げましたが、政治的な責任、かつて言っていたことと違うではないか。確かにリーマンショック級の出来事は起こっていませんし、大震災も起こっていないのは事実であります。ですから、新しい判断をした以上、国民の声を聞かなければならないわけであります。......

安倍がサミットで世界の首脳に臆面もなく偽計データを示し、終了後の会見で「リーマン・ショックという言葉を7回も繰り返しつつ「G7で三本の矢の政策を進めていくとの認識を共有した」とまで強弁して失笑を買ったことについては、本誌No.839で論じたので繰り返さない。それにしてはこの6月1日会見で「リーマン・ショック級の出来事は起こっていないと2度も3度も繰り返したのはどういうことなのか。もはや安倍の思考が支離滅裂に陥っていることが明らかである。

それにしても、彼がここで「日本が議長国として......リーダーシップをとった国の責任」「この議論を主導した議長国日本としての責任」とか繰り返して、自分が世界のリーダーであるかに言挙げしているのは恥ずかしい限りである。

ご存じかどうか、15年の成長率の国際比較で言えば、日本は世界162位で、G7の中では最下位、アジアの中でもインド、中国、韓国などにも大きく遅れをとっている情けない国なのである。

順位        15年成長率()
111  米国     2.43
116  イギリス   2.25
139  ドイツ    1.45
143  カナダ    1.18
146  フランス   1.14
158  イタリア   0.76
162  日本     0.47

安倍は、口を開けば「中国経済の停滞」に迷惑していると言うけれども、このランキングで言えば、中国は16位で6.9%の成長維持しているのであって、向こうから言わせればほぼゼロ成長の日本からどうこう言われたくないよということだろう。G7の中でも、リーマン・ショック目前だとか騒ぐのであれば、まず自分の成長率をどうにかすればいいじゃないかと冷ややかに見られているに違いない。

安倍がお好きな前出「1人当たり国民総所得」の世界ランキングで見ても、日本は34位で、アジアではカタール、マカオ、シンガポール、クウェート、UAE、香港、ブルネイより下の中程度、G7の中では辛うじてイタリアにブービーメーカーを譲った程度の二流国に属する(14年、国連、米ドル)。

順位      15年1人当たりGNI
12  米国   55794
20  カナダ  49376
21  ドイツ  49065
25  イギリス 45614
28  フランス 43645
34  日本   37765
36  イタリア 35802

こうしたデータから見れば、日本はまずは粛々と自らが努力して世界のご迷惑にならないよう努めなければならない立場であるにもかかわらず、「俺がお前らに世界経済がリーマン・ショック目前の危機に瀕していることを教えてやる」とでも言うような偉そうな態度をとった。これはほとんど錯乱状態である。

image by: 首相官邸

高野孟のTHE JOURNAL』より一部抜粋
著者/高野孟(ジャーナリスト)
早稲田大学文学部卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。現在は半農半ジャーナリストとしてとして活動中。メルマガを読めば日本の置かれている立場が一目瞭然、今なすべきことが見えてくる。

金森

目立つ権力集中の弊害

  • 雑談

社説[2016参院選 安倍政治]目立つ権力集中の弊害

http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=172868
沖縄タイムス

 安倍政権になって何よりも目立つのは、官邸が政策決定の主導権を握るようになったことである。

 官邸にあまりにも権力が集中し過ぎた結果、与党自民党や官僚機構による「チェック・アンド・バランス」(牽制(けんせい)と均衡)が働かなくなり、国会も政府を牽制する機能が弱くなった。

 不甲斐ないのは野党第一党の民進党だけではない。政権政党である自民党もかつての柔軟さや活気を失い、劣化が著しい。日本の政治全体が行政権力の強大化に抗することができず、「チェック・アンド・バランス」の機能を失ってしまっているのである。

 安倍官邸の力の源泉は人事権である。日銀総裁に金融緩和論者の黒田東彦氏を起用し、集団的自衛権の行使容認に前向きだった外務省出身の小松一郎氏(故人)を内閣法制局長官に抜擢(ばってき)することで、経済・安保政策の大転換を図った。

 各省庁の幹部人事が内閣人事局に一元化されたため、官僚はわが身かわいさに官邸の顔色をうかがうことが多くなった。小選挙区制の下で党首の権限が強化されたことで自民党の中には首相に異を唱える人がいなくなった。

 安倍晋三首相は衆院予算委員会で自分のことを「立法府の長」だと発言した。単なる言い間違いというよりも、「どこにも敵がいない」「牽制する勢力がいない」という全能感がおごりに転じたとしか思えない。

■    ■

 こうした事態の何が問題なのだろうか。

 消費増税の再延期は、安倍首相の明白な公約違反である。本来なら国会で説明するのが筋だ。自民党の税調で丁々発止の議論を行い、その上で、党の方針を決めるのがまっとうな順序だ。しかし、安倍首相は参院選を最優先し、一部閣僚や与党幹部の同意を取り付けただけであった。

 野党が昨年秋、憲法第53条に基づいて臨時国会の召集を求めたのに対し、政府は外交日程などを理由に応じなかった。極めつけは安全保障法制の強行採決。法曹界から違憲の疑いが濃厚だと指摘され、多数の有権者から「説明不足」と指摘されたにもかかわらず、国会での採決を強行し、成立させてしまった。

 県議選で名護市辺野古の新基地建設に反対する県議会与党が議席を伸ばし、この問題に対する民意があらためて示された。だが、菅義偉官房長官は「辺野古が唯一の選択肢」だと、相変わらずの上から目線である。

■    ■

 憲法は法律や予算の議決などで衆議院の優越を認めている。二院制の下で参議院に期待される役割は何か。

 衆議院の行き過ぎをチェックし、国民の多様な意見を反映させること、良識の府として熟議を尽くし衆院の足りない点を補うこと、である。

 衆院選と違って参院選は政権を選択する選挙ではない。首相の政治手法とその結果をどう評価するのか。安倍政治にブレーキをかけるのか、アクセルをふむのか-それを選択する選挙である

金森

滝山東照宮

  • 雑談

滝山東照宮(たきさんとうしょうぐう)は愛知県岡崎市にある。境内には日光、久能山と並ぶ日本三大東照宮の一つとの案内板があった。

江戸時代に滝山寺の境内に創建されたことから、滝山寺に隣接してあり滝山寺の一部のようでもある。

瀧山寺は、保安3年(1122)の創建と伝えられる天台宗の古刹である。境内の瀧山東照宮は、三代将軍家光の命により勧進されたものであり、日光、久能山とともに、東照宮三宮とされている。
現存の東照宮社殿は、正保3年(1646)8月に竣工したことが知られており、本殿のほか、拝殿・幣殿、中門、鳥居、水屋が重要文化財となっている。(「文化財ナビ愛知」から引用)

拝殿の前に立ったのは、朝の8時半少し前だった。

拝殿 滝山東照宮 岡崎滝町
拝殿 滝山東照宮 岡崎滝町

本殿 滝山東照宮 岡崎滝町
本殿 滝山東照宮 岡崎滝町

鳥居 滝山東照宮 岡崎滝町
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金森

日本会議産みの親「生長の家」が安倍政権と日本会議の右翼路線を徹底批判!「日本会議の元信者たちは原理主義」

http://lite-ra.com/2016/06/post-2325.html LITERA

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生長の家公式サイトに掲載された声明文


〈来る7月の参議院選挙を目前に控え、当教団は、安倍晋三首相の政治姿勢に対して明確な「反対」の意思を表明するために、「与党とその候補者を支持しない」ことを6月8日、本部の方針として決定し、全国の会員・信徒に周知することにしました。〉

 宗教法人「生長の家」が、昨日6月9日、ホームページにてこんな書き出しで始まる声明文を公開。安倍政治に真っ向から反対を宣言した。

 生長の家は1930年に故・谷口雅春氏によって設立された宗教団体で、49年に法人化。当時は皇国史観や国粋主義的思想のもと「明治憲法復元」や反共を掲げ、政治家と結びついて積極的に政治活動を行っていた。

 また、現在、安倍政権と一体化して、改憲を推し進めている極右団体「日本会議」も元生長の家の信者が中心になっている。その生長の家が、この声明文では、安倍首相の政治姿勢に対する明確なNOを突きつけているのだ。

〈その理由は、安倍政権は民主政治の根幹をなす立憲主義を軽視し、福島第一原発事故の惨禍を省みずに原発再稼働を強行し、海外に向かっては緊張を高め、原発の技術輸出に注力するなど、私たちの信仰や信念と相容れない政策や政治運営を行ってきたからです。〉
〈安倍政権は、旧態依然たる経済発展至上主義を掲げるだけでなく、一内閣による憲法解釈の変更で「集団的自衛権」を行使できるとする"解釈改憲"を強行し、国会での優勢を利用して11本の安全保障関連法案を一気に可決しました。これは、同政権の古い歴史認識に鑑みて、中国や韓国などの周辺諸国との軋轢を増し、平和共存の道から遠ざかる可能性を生んでいます。また、同政権は、民主政治が機能不全に陥った時代の日本社会を美化するような主張を行い、真実の報道によって政治をチェックすべき報道機関に対しては、政権に有利な方向に圧力を加える一方で、教科書の選定に深く介入するなど、国民の世論形成や青少年の思想形成にじわじわと影響力を及ぼしつつあります。〉(声明文より)

 見ての通り、生長の家は、安保法の強行による民主主義と立憲主義の破壊だけでなく、原発再稼働や歴史修正主義、さらにメディアへの圧力行為まで、かなり全般的に安倍政権の政策を批判しているが、同教団がこれほどまでにはっきりと現政権との距離を明確にするのは、安倍首相と二人三脚でその極右的政策の数々を支援している「日本会議」の存在がある。

 日本会議は、1997年に宗教右派が結集した「日本を守る会」と、「日本を守る国民会議」という二つの団体が合流して結成された国内最大の保守系団体。著述家・菅野完氏の労作『日本会議の研究』(扶桑社)に詳しいが、日本会議の事実上の事務方である右翼団体「日本青年協議会」は、かつての全共闘時代に民族派学生運動を牽引した生長の家関係者が組織したものだ。とりわけ、日青協会長の椛島有三氏は、現在日本会議の事務総長を務め、その前身から運動のオーガナイズに寄与してきたという。こうした同書が指摘する生長の家OBと安倍政権との関係について、声明文ではこのように書かれている。

〈最近、安倍政権を陰で支える右翼組織の実態を追求する『日本会議の研究』(菅野完、扶桑社刊)という書籍が出版され、大きな反響を呼んでいます。同書によると、安倍政権の背後には「日本会議」という元生長の家信者たちが深く関与する政治組織があり、現在の閣僚の8割が日本会議国会議員懇談会に所属しているといいます。これが真実であれば、創価学会を母体とする公明党以上に、同会議は安倍首相の政権運営に強大な影響を及ぼしている可能性があります。事実、同会議の主張と目的は、憲法改正をはじめとする安倍政権の右傾路線とほとんど変わらないことが、同書では浮き彫りにされています。〉(声明文より)

 また、生長の家は60年代半ばには「生長の家政治連合」(生政連)を結成し、運動だけでなく、「参院のドン」と呼ばれた村上正邦氏らを通じて政界に影響力を及ぼしていた。しかし、生長の家内では、こうした政治偏重の一部信者らの姿勢に反発する動きも現れ、生政連は83年に活動停止。生長の家自体も同時期に政治活動から撤退し、近年では、環境問題への取り組みなどにシフトしている。そうした現教団から見て、日本会議と安倍政権の行いは「誠に慚愧に耐えない」ものだという。

〈当教団では、元生長の家信者たちが、冷戦後の現代でも、冷戦時代に創始者によって説かれ、すでに歴史的役割を終わった主張に固執して、同書(『日本会議の研究』)にあるような隠密的活動をおこなっていることに対し、誠に慚愧に耐えない思いを抱くものです。先に述べたとおり、日本会議の主張する政治路線は、生長の家の現在の信念と方法とはまったく異質のものであり、はっきり言えば時代錯誤的です。彼らの主張は、「宗教運動は時代の制約下にある」という事実を頑強に認めず、古い政治論を金科玉条とした狭隘なイデオロギーに陥っています。宗教的な観点から言えば"原理主義"と呼ぶべきものです。私たちは、この"原理主義"が世界の宗教の中でテロや戦争を引き起こしてきたという事実を重く捉え、彼らの主張が現政権に強い影響を与えているとの同書の訴えを知り、遺憾の想いと強い危惧を感じるものです。〉(声明文より)

"テロや戦争を引き起こす「原理主義」"というのは強烈な批判だが、これは、椛島氏ら一部OBへの決別宣言であると同時に、その影響を受けて戦前回帰的傾向を強める安倍政権への明確な拒絶に他ならない。声明文の最後はこのように締めくくられている。

〈私たちは今回、わが国の総理大臣が、本教団の元信者の誤った政治理念と時代認識に強く影響されていることを知り、彼らを説得できなかった責任を感じるとともに、日本を再び間違った道へ進ませないために、安倍政権の政治姿勢に対して明確に「反対」の意思を表明します。この目的のため、本教団は今夏の参院選においては「与党とその候補者を支持しない」との決定を行い、ここに会員・信徒への指針として周知を訴えるものです。合掌。〉

 日本会議と安倍政権の関係者たちにこの言葉が響くとは思わないが、有権者には、彼らを生み出した当の宗教団体ですら、その右翼路線に危惧を抱いていることをぜひ認識しておいてもらいたい。
(編集部)


金森

 昨日の夕方に<自分が悪い場合でも謝らなくても済む方法>というテレビ番組の放送があると聞いて、首を長くしてその時間を待った▼失敗しない人間はいない。それでも謝らなくてもよいとは何とも魅力的な番組ではないか。会社でつまらぬミスをしては上司に叱責(しっせき)される。家庭において生ごみを出し忘れ、妻にうんざりされる。この技術を覚えれば、謝る日々とはおさらばである▼こんな場合を例にその方法を教えていた。絶対にやると言っていた約束を一方的に破る場合の対応である。耳を疑った。そんな場合に謝らないで済む方法などあるはずがない▼ところがである。その方法はあった。講師によると、まずは絶対に「約束を破った」と認めてはならないという。約束を破るのではなく、新しい判断とか、異なる判断をすると言い換える。なるほど間違いを認めなければ、謝る必要もない▼もし約束を守れば、世界の破滅が待っていると恐怖を煽(あお)るのも相手を納得させる効果があるそうだ。世界のリーダーや立派な学者も自分を支持していると加えることもお忘れなく。決めぜりふは「どっちが正しいか、町の意見を聞いてみよう」。これで、そもそも約束を破ったという事実を完全にけむに巻ける。謝らずに済む▼素晴らしい技術である。自信にあふれた講師の顔がわが国の首相に似ていた気がするが、見間違いであろう。

東京新聞 筆洗
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016060202000140.html

金森

日本会議は中身空っぽ

  • 雑談

「日本会議は中身空っぽ」 異色の著述家・菅野完氏が解明

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/182670

安倍首相を筆頭に多数の閣僚が関連議連に名を連ねる保守系市民団体「日本会議」。この組織を徹底解明した新書「日本会議の研究」(扶桑社)が飛ぶように売れている。4月末の発売前から重版が決定。今は入手困難の状態が続く"騒ぎ"になっている。しかも、著者は学者でもジャーナリストでもない一介の元サラリーマンだった著述家の菅野完氏だ。

■日本会議は本来の右翼でも保守でもない

――1年ほど前まで会社勤めしながら、扶桑社のウェブサイトで連載したものを書籍化したそうですね。なぜ日本会議に関心を持ったのですか?

 いわゆる「ネトウヨ」と呼ばれる人たちが現れ、さらには7、8年前くらいから、「朝鮮人を殺せ」と叫ぶヘイトスピーチが各地で繰り広げられるようになりました。変な人たちだと思って調べていくと、彼らのネタ元がいわゆる「保守論壇誌」であることに気づき、そこから日本会議に行き当たった。私は自分のことを思想的に"かなり右寄り"だと思っていますが、彼らの言説はあまりに幼稚だし、レベルが低いと言わざるをえない。

――どの辺が幼稚だと。

 彼らは平気で資料を無視する。事実より「物語」を重要視する。「国家の誇り」が事実より大事だという。右翼の本来の役割は「国を国家から守る」ことだと思うのです。国とは"邦"であり"故郷"でもある。また、保守という視点で言えば「国家の暴走に掣肘を加える」ことも重要です。しかし、日本会議周辺の人々の意識には、"国家"しかない。その意味では彼らのよって立つところは、本来の右翼でも保守でも何でもない。

 しかも、「憲法改正」「夫婦別姓反対」「従軍慰安婦」など判で押したように同じような主張が目立つ。この異様ともいえるバラツキのなさは何なのかと、彼らの言動を観察しつつ、主張の"出典"を探したら、ほぼ例外なく「正論」「WiLL」「諸君!」などの保守論壇誌でした。寄稿している"識者"の多くが日本会議周辺の人たちでした。

――保守論壇誌を読み込むうちに違和感を覚えたそうですね。

 相撲解説者の舞の海秀平氏がなぜ憲法を語るのか。教育学者の高橋史朗・明星大教授がなぜGHQの占領政策の過去について論じているのか。門外漢の人たちがもっともらしく戦後の歴史や憲法を語る。これが日本会議の特徴です。

■会員は団塊の愛国オジサンと愛国オバサン

――日本会議の関連議連には与野党の国会議員280~300人が所属していると報じられています。

 日本会議本体の役員名簿には元最高裁長官、東大名誉教授、神社本庁統理など法曹界・学界の要職経験者が名を連ねています。多数の宗教団体も参画しているため、とてつもなく巨大な組織に見えますが、中身は空っぽです。

――具体的にはどんな点が。

 日本会議が唱えている「改憲」「靖国参拝」「愛国教育」などは、非近代的で、思想的にも政治的にも目新しさがまったくありません。組織の中核を担っているのは70年安保の学生運動のときに左翼学生と戦った「右翼学生運動」のメンバーたちで、運動のモチベーションは突き詰めると「反左翼」「反戦後民主主義」に過ぎません。単に「壮大なる反対運動」に過ぎない。だから中身が空っぽなんです。

――ものすごい巨大組織というイメージがあります。どんな人たちが参加しているのですか?

 日本会議には約3万8000人の会員がいますが、その多くは「日教組の教師は追い出せ」と叫んでいるような団塊世代の愛国オジサンや愛国オバサンです。圧力団体としての日本会議は、労働組合や業界団体などのかつての圧力団体と比べて規模は小さく、財界に強力スポンサーがいるわけでもない。この1年で徹底的に資料を集めて調べましたが、日本会議の小ささ、弱さが目についたのが正直な感想です。

――そんな組織が明らかに政権に影響を与え、実際に安倍首相は改憲に向かって突き進もうとしています。どうしてそんなことが可能なのでしょう?

 事務局のマネジメント能力の高さが力の源泉なのだと思います。日本会議はこれまでに大規模な集会を何度も日本武道館で開催してきました。例えば去年11月に開催された「今こそ憲法改正を!1万人大会」などは事前に「1万人を集める」と公言し、言葉通りに参加者を動員し、きっちり1万人を集めています。単一の宗教団体のイベントで1万人という数は驚くに値しませんが、日本会議の事務局は霊友会、崇教真光、遺族会など異なる各種教団・団体から複雑な利害関係を調整して正確に参加者を動員する。政治家は改憲うんぬんといった日本会議の思想信条以前に、彼らの緻密な計数管理能力に魅力を感じているのでしょう。

――数は少なくとも選挙の「票」が読めるということですね。しかし、同様な"集票マシン"では、農協など多くの団体で高齢化による弱体化が指摘されます。何が違うのでしょう?

 日本会議も高齢化しています。しかし利権維持や経済的な理由で団結する農協や医師会などと比べ、思想的な理由だけで団結しているので、不況などの世の中の動向に左右されないのが大きな強みなのでしょう。

――しかも、市民運動の手法を取り入れている。

 事務局を取り仕切るのは新興宗教「生長の家」にルーツを持つ民族派学生運動が発展してできた組織です。70年代に入り左翼学生運動が停滞し始めると、民族派学生たちはリベラル陣営の運動手法を模倣しながら取り入れました。署名活動や講演会活動といった「草の根」の運動をコツコツと地道に続けた努力が、2000年代になって結実したといえます。

――生長の家の学生運動といえば、去年の安保法制審議で「集団的自衛権は合憲」と主張した憲法学者の百地章・日大教授や、安倍首相の"右翼思想の師匠"と呼ばれる衛藤晟一・首相補佐官も出身者だと指摘されていますね。

 百地、衛藤の2氏および、明星大の高橋史朗教授などは、日本会議事務総長である椛島有三氏が率いる「日本青年協議会」という生長の家学生運動にルーツを持つ右翼団体の幹部です。メディアは彼らを安倍首相のブレーンとして紹介することがありますが、来歴にまで踏み込んでおきながら、なぜか「生長の家学生運動」には言及しない。

■弱小派閥と弱小学生運動組織が結束

――安倍首相と日本会議がシンクロするのは、幼稚な思考回路が同じだからでしょうか?

 思想信条というよりも、双方の置かれた特殊な事情が結びつきを強めているのだと思います。安倍首相の出身派閥である清和会は、自民党主流派だった木曜クラブや宏池会などと比べ、利権も票田も少なく、生き残るために宗教組織と結びつくしかなかった。その弱小派閥に、弱小学生運動組織が結びついたのが、今の安倍政権とも言えます。

――弱い立場の者同士がくっついた感じですね。

 はい。しかも安倍首相は閣僚経験がほとんどないまま異例の出世を遂げました。党内基盤が脆弱だった首相にとっては、規模が小さくても堅固な日本会議は頼れる組織だったのでしょう。そしてこの「弱者連合」は、今、ついに「改憲」という結実を迎えようとしています。

――ところで、大手メディアでさえほとんど触れようとしてこなかった組織に正面から斬り込んだことで、嫌がらせなどはありませんでしたか?

 出版元の扶桑社には「日本会議事務総長・椛島有三」名義で、出版の差し止めを求める申し入れ書が届きました。個人的にもウェブ連載中は何度か嫌な思いはありましたが、出版後はピタッとやみました。

▽すがの・たもつ 1974年、奈良県生まれ。一般企業のサラリーマンとして勤務するかたわら執筆活動を開始。退職後の2015年から主に政治分野の記事を雑誌やオンラインメディアに提供する活動を本格化させる。扶桑社ウェブ系メディア「ハーバー・ビジネス・オンライン」の連載「草の根保守の蠢動」が大反響を呼び、今回書籍化された。


「日本会議の研究」は読みたいと思っていたがアマゾンでも売り切れが続いていた。最近、増刷されたようなのでアマゾンに注文した。明日には届く予定だ。

金森

今年の金沢百万石まつりは6月3日(金)から5日(日)の三日間となっている。百万石まつりのメインイベント百万石行列を観てきた。

 金沢百万石まつりは、加賀藩祖・前田利家公が天正11(1583)年6月14日、金沢城に入城し、金沢の礎を築いた偉業をしのんで開催されています。6月14日の日付は尾山神社誌に基づきます。

 尾山神社での封国祭に合わせて、大正12年から昭和20年まで金沢市祭として行われてきた奉祝行事がルーツで、終戦後は進駐軍の指導により昭和21年から6年間、尾山まつりとして尾山神社奉賛会によって開催されました。

 現在の金沢百万石まつりは、昭和27年に金沢市と金沢商工会議所が中心となって開催した商工まつりが第1回目となります。その後、豪華絢爛な百万石行列をはじめ、400年にわたり受け継がれてきた金沢ならではの伝統ある行事が賑やかに繰り広げられる現在の姿に発展しました。

 昭和59年(第33回)に初めて、百万石行列の主役である利家役に俳優を起用して以降、全国に発信できる初夏の一大イベントに成長しました。

(金沢百万石まつりホームページから引用)

金森

戸隠高原 初夏

  • 雑談

小鳥ケ池 戸隠高原 初夏
小鳥が池 戸隠高原 初夏

5月末に戸隠高原をトレッキングした。

戸隠キャンプ場に車を停め、林道を歩いて戸隠神社奥社の随神門横に出る。奥社へと登り、奥社に参拝する。奥社から下って随神門横から高山植物を愛でながら森林植物園を抜けて鏡池周辺を散策。昼食は鏡池の傍にあるどんぐりハウスで蕎麦ガレット。

ゆっくりとした昼食の後、小鳥が池に。小鳥が池から森林植物園に出てキャンプ場に帰る。前日宿泊した知人の別荘近くのホテルを出て、キャンプ場を出発したのが9時頃。駐車場に戻ったのが16時頃だった。昼食を入れて約7時間のトレッキングになった。

駐車場に停めていた車に乗って19時頃には自宅に戻った。

下の動画は7年前に妻と歩いた戸隠神社奥社の様子だ。戸隠神社奥社は7年前とそんなに変わりはなかったと思う。(今回も動画は作ったが同行した人達のプライバシーのこともあって掲載してない)

金森

海外メデイアは本質を突いた報道をする。一方、NHKを始めとした日本のマスコミは大本営発表を単に垂れ流すだけの政府広報機関に成り下がっている。


NYタイムズが「安倍は広島の平和の教訓に反している」、ガーディアンは「安倍がオバマ訪問を右翼的に利用」と本質喝破

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首相官邸ホームページより


 オバマ大統領の広島訪問で、米大統領による初の被爆地訪問を達成させたと、安倍首相は鼻高々のようだ。そして、メディアや世論にも「安倍首相はよくやった」という空気が広がっている。

 だが、欧米のメディアはまったくちがう反応を見せている。といっても、ナショナリスティックな立場からオバマの訪問そのものを否定しているわけではない。彼らが問題にしているのは、そうではなく、日本のリーダーのほう。安倍首相がこのオバマ訪問とまったく逆の本質をもっていると指摘しているのだ。

 たとえば米紙「ニューヨーク・タイムズ」(電子版)は5月26日付で、「日本のリーダーは広島の平和の教訓をほとんど活かすつもりがない」(Japan's Leader Has Little Use for Hiroshima's Lessons of Pacifism)という見出しで報じた。

 記事では、戦後日本が憲法9条と日米同盟のもとで平和主義をとってきたと述べ、独自の軍隊をもち国際的により大きな役割を担う「普通の国」に変えようという安倍首相の路線は、原爆ドームに象徴されるメッセージ、すなわち、広島の慰霊碑の石碑に刻まれた「過ちは繰返しませぬから」の言葉に反している、と伝えられている。

 また、安倍首相が強行した安保法制や、武器輸出の推進に触れて、こうした日本の変化はオバマ政権からは歓迎されたが、同時に、安倍首相の動静はいまだ日本による占領や植民地支配の記憶が生々しく残るアジア諸国、とりわけ中国に不安をもたらしてきた、と記す。

 つまり、ニューヨーク・タイムズは、オバマの広島訪問をコーディネートしたと自慢げになっている安倍首相の政治的方針は、実のところ平和憲法の根幹である9条を形骸化し、また明らかな軍事的増長を見せていることに懸念を示しているのだ。そして、そのなかで最も強い安倍批判と言えるのが、記事の最後を、市民団体「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」共同代表である森瀧春子氏によるコメントで締めていることだ。森瀧春子氏の父親の故・市郎氏は広島で被爆し右目を失明、戦後、核廃絶と平和活動に従事してきた。

 春子氏は、オバマ大統領の広島訪問を受け入れつつも、原爆投下は誤りだったと言ってほしいとニューヨーク・タイムズに語る。そして、最も残念なのは、オバマの訪広で安倍首相までもが脚光を浴びて、広島の物語る歴史の教訓が蝕まれてしまうことだと言う。

「私はオバマ大統領には会いたい。けれども、その隣に安倍首相が立つ姿を見たくはない。広島の記憶を、利用してほしくはないのです」

 日本を文字通りの"戦争のできる国"に変えようと躍起になっている安倍首相が、ヒロシマを政治利用している。ニューヨーク・タイムズの記事は、そのことを強く印象付けるものだ。

 このように安倍政権の本質を伝える海外メディアは、ニューヨーク・タイムズだけではない。英紙「ガーディアン」もまた手厳しい。

 5月27日付電子版では、ロンドン大学SOAS・ジャパンリサーチセンターのシニアフェローであるマーティン・スミス氏が英報道局「Sky News」に語ったコメントを引用し、「オバマが謝罪しなかったことは、安倍政権の右翼志向を推し進めるのに利用されるでしょう。そして、むしろ東アジアでの日本の軍事的役割を強化し、1930年代から40年代に起こったことを忘却したい、いや、否定したいと思っている支配者層を後押しことになるのでないか」と指摘している。

 また、前大阪市長の橋下徹氏が、今月12日にこうツイートしたことも批判的に紹介している。

〈今回のオバマ大統領の広島訪問の最大の効果は、今後日本が中国・韓国に対して謝罪をしなくてもよくなること。過去の戦争について謝罪は不要。これをアメリカが示す。朝日や毎日その一派の自称インテリはもう終わり。安倍首相の大勝利だね〉

 オバマ大統領は原爆投下という自国の行為に謝罪をしておらず、そこは厳しく批判されるべきだが、一方で、被爆地を訪れ、被爆者の目をまっすぐ見て、その言葉に真剣に耳を澄まし、抱擁した。

 本当なら、安倍首相もこの姿勢にならい、ナヌムの家や、南京大虐殺記念館を訪ね、戦争根絶のために過去の教訓を学ぶと宣言すべきだろう。

 ところが、平和憲法を破壊しようと企む安倍政権と、改憲勢力として足並みをそろえる橋下氏のおおさか維新の会はそれを、グロテスクな歴史修正主義、戦争国家づくりに利用しようとしている。

 そして、欧米メディアはこれを見抜いて、率直に報じているのだ。これは「安倍首相はよくやった」との声で溢れかえっている日本国内とは対照的だ。

 この国は被爆国であると同時に、侵略国家だ。だからこそ、世界に向け、声を大にして戦争反対を発信し続けなければならない。戦前・戦中日本の無謬性を主張し続け、戦後日本の非戦の誓いを骨抜きにし、憲法や非核三原則をひっくり返そうとしている安倍政権に騙されてはならない。
(小杉みすず)
http://lite-ra.com/2016/05/post-2290.html

厚顔無恥

金森

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ごの会

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